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V型2気筒といえば、スポーツ車ならドゥカティ、クルーザーならハーレーをイメージする方が多いのではないだろうか。とはいえ国産メーカーも、Vツインのロードスポーツやアメリカンをたくさん作っていたハズ……最近までは。いつの間に減っちゃったんだろう?

●文:伊藤康司 ●写真:スズキ、ホンダ、ヤマハ、カワサキ、ドゥカティ、ハーレーダビッドソン

国産Vツインは絶滅寸前。以前はたくさんあったのに……
Vツインといえばドゥカティやハーレーを思い浮かべる方が多いだろう。他にもロードスポーツやアドベンチャーならKTM、ちょっとマニアックな縦置きエンジンのモト・グッツィもあるし、クルーザー(いわゆるアメリカン)ならインディアンも有名だ。

横置きのVツインエンジンは幅が狭いため、バイクの運動性が高くなるメリットや不等間隔爆発ならではのトラクション性、またアメリカンタイプだとエンジンのルックスやサウンドも魅力があるなどメリットがたくさん(エンジンの前後長が長くなったり、部品点数の多さによるコスト増などデメリットもあるが)。海外メーカーの場合、ブランドとしてのアイデンティティとしてVツインを堅持していることも多い。

とはいえ国産メーカーも1980年代から、数多くのVツイン搭載車をリリース。クルーザーはハーレーをオマージュという感は無きにしもあらずだが、ロードスポーツに関しては、並列エンジンとは異なるV型ならではのメリットを見出したからではないだろうか?

ところが近年、国産のVツインは激減。絶滅寸前である。最近は並列2気筒がメジャー化し、位相クランクによる様々な爆発間隔を実現できるようになったのも影響しているかもしれない。さらに、並列ツインよりVツインの方がコストがかさむのも激減の理由だろう。シリンダーやリンダーヘッド、さらにカムシャフトやカムチェーンも並列2気筒の倍の数の部品が必要になり、単純に部品点数が増えるのだ。

そうした理由があるにしても、外車はまだまだ頑張っているメーカーが多いだけに、国産のVツインの現状は少々寂しく感じる。

国内販売のVツインはスズキだけ
現在、日本の4メーカーで、Vツインエンジン搭載モデルを国内で販売しているのは、基本的にスズキのみ(ヤマハのBOLTも販売中ではあるが、現行モデルは10月で生産終了)。

ちなみに先日、EICMA2022で発表になったVストローム1050DEは1037ccVツインエンジンを搭載するが、Vストローム800DEは776cc並列2気筒エンジン、VストロームSXは249cc単気筒エンジンを搭載する。

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スズキ Vストローム1050
1036cc水冷90度V型2気筒DOHC4バルブエンジンを搭載するアドベンチャーモデル。キャストホイール仕様。

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