國學院大學で講師を務める天皇・皇室研究者の高森明勅さんは、今回の秋篠宮さまのご回答に「皇位継承者」という表現が含まれなかったことに注目する。

「“天皇”や“皇位継承”という言葉を使用せず、あえてあいまいな表現にとどめられた点に、悠仁さまのご即位が既定路線となることへの心理的な躊躇いをお見受けしました。
殿下は、宮内庁職員の名称や仕事面で男女の区別を撤廃されるなど“ジェンダー平等”を大切にしておられます。現在の皇室典範は皇位継承者を男系男子に限定していますが、多少なりとも違和感をお持ちなのかもしれません」

■秋篠宮家の最重要課題とは

 天皇や皇太子ではなく、宮家の長男にあたる悠仁さまを取り巻く環境の整備は、そう容易くないようだ。
「今年の秋篠宮さまの誕生日会見では、眞子さんや佳子さまとの親子関係が順調とは言い難い状況であることもうかがえました。皇位継承候補者である悠仁さまが、家庭内の不和に巻き込まれてしまうのは、望ましくないと思います」(前出・高森さん)

 前述した今年の秋篠宮さまの誕生日会見では、眞子さんや佳子さまの話題についても触れられた。ニューヨークで暮らす眞子さんについては、
「本人が近況などについての自分のことについては話をするのは控えてほしいということを申しているようですので、私もここではお話を控える」
 と一蹴されたのだが……。

「“申しているようですので”と、伝聞の言い回しで回答されたことに驚きました。誕生日会見は、年に1度の貴重な場。事前に記者から質問が提出されているにもかかわらず、眞子さんと連絡を取られることもままならなかったということでしょうか」(前出・皇室担当記者)

 佳子さまとの距離感が露呈する場面もあった。秋篠宮さまが、公務で手話を披露する機会があったことを受け、手話がお上手な佳子さまからアドバイスを受けたかどうかという“アドリブ”質問が飛んだ際、「特になかった」と、淡泊にお答えになったのだ。
「秋篠宮ご一家にとっての最重要課題は、家庭内の和解を済ませていただくことだと思います。“ご両親対お姉さま方”という対立構造の中で、悠仁さまが多感な時期を過ごされるのは、健全とはいえません」(前出・高森さん)