12/25(日) 7:35 倉原優 呼吸器内科医
https://news.yahoo.co.jp/byline/kuraharayu/20221225-00329803

1日の新型コロナ新規感染者数・死亡者数は第7波の水準まで到達しており、第8波のピークがいつなのかまだ分からない状況です。加えて、各地域でインフルエンザの流行期入りとなっており、今後同時流行する懸念があります。今年の年末年始は医療逼迫と重なっていますので、感染した場合にそなえて事前準備をしておきましょう。

解熱鎮痛薬と抗原検査キットの準備を
解熱鎮痛薬などの市販薬、新型コロナの抗原検査キットを購入しておきましょう。日頃から、ご家族の人数分を備えておくことをおすすめします。

持病でお薬を飲んでいる人や、妊婦・高齢者などは、かかりつけの医療機関が休業する前に常備薬について相談するようにしてください。市販の解熱鎮痛薬がすすめられない場合もあります。

抗原検査キットは、必ず国が承認した「体外診断用医薬品」あるいは「第一類医薬品」を使用するようにしてください。「研究用」と書かれたものは、精度が保証されていない未承認の製品なので注意してください。

帰省する前にPCR検査や抗原検査キットで1回陰性を確認しても、その後連泊する場合、潜伏期間を経て発症することがありますから、医学的な意義は決して高くないことを認識しておくべきです。

年末年始に帰省される方は、出発前や帰省先から戻った際に検査を受けることが可能です。各都道府県の無料検査事業サイトが公開されています。

日用品の備えも
その他、普段から使用している日用品で多めに備えておきたいものとして、以下のものはあってもよさそうです。

マスク
アルコール消毒液
ごみ袋
ティッシュペーパー・トイレットペーパー
生理用品
ハンドソープ・洗剤
スポーツドリンク・ペットボトル飲料
レトルト食品・インスタント食品・パックごはん
紙おむつ・粉ミルク
年末年始に症状が出た場合
新型コロナ第8波と重なっているため、医療機関がかなり受診しにくくなります。しかし、本当に医療が必要な人の受診ルートを確保する必要があります。

発熱などの症状が出た場合、まず手持ちの抗原検査キットで検査してください。新型コロナが「陽性」だった場合は、各自治体の登録センターへ自己登録しましょう。インフルエンザも同時に検査できるキットが市販されていますが、流通が十分でなく、新型コロナを優先的に検査することをおすすめします。

重症でない場合、手持ちの解熱鎮痛薬などを服用して様子を見るようにしましょう。新型コロナは、発熱・のどの痛み・全身のだるさ・咳・鼻水などの症状が出ますが、ほとんどの人は2〜4日で軽快します。

手持ちの薬がない場合、近くに住む親戚や知人などに協力してもらって市販薬を購入しましょう。濃厚接触となっているご家族でも、マスクを着用して短時間であれば必需品の買い物は問題ありません。

子どもの場合、日本小児科学会が運営する「こどもの救急」のサイトを参考にしてください。

受診が必要な場合、厚労省の都道府県別の案内を参考にするとよいですが、年末年始の営業日までは掲載されていない自治体も多いです。よく分からない場合は、各自治体の窓口に相談するとよいでしょう。

受診を急いだほうがよさそうな場合、自治体の所定の相談窓口だけでなく、「救急安心センター(#7119)」、「子ども医療電話相談(#8000)」(子ども医療電話相談の実施時間帯はこちらを参照)を検討してください