四字熟語には中国の故事から生まれたものが多く存在する。「金科玉条」もその一つ。金や玉といった語が並ぶきらびやかなイメージの四字熟語だが、意味を知らないという方も少なくないだろう。

そこで本記事では「金科玉条」の意味や由来、使い方、類語などを紹介する。意味を理解しておけばスピーチをはじめ、幅広いシーンで使えるため、ぜひこの機会にチェックしてほしい。

金科玉条の意味と由来
金科玉条の読み方は「きんかぎょくじょう」。まずは、この言葉の意味や由来について解説する。

金科玉条の意味は?
金科玉条は、絶対守るべき極めて重要な法律や規則を意味する。転じて、自分の主義主張や、立場の絶対的なよりどころとして使われるようになった。現在では、融通が利かない例えとして用いられることもある。

由来は中国の詩文集
金科玉条の由来は、中国の詩文集「文選(もんぜん)」に収められた、前漢の文人揚雄(ようゆう)の『劇秦美新(げきしんびしん)』とされている。詩中には、当時王莽が建国した新王朝について「懿律嘉量,金科玉條,神卦靈兆,古文畢發,煥炳照曜,靡不宣臻」と賛美する一文があり、ここから「金科玉条」という故事成語が誕生したようだ。

「金」は黄金、「玉」は珠玉を意味し、「科」と「条」はいずれも法律や規則などの条文のこと。金科玉条には、黄金や珠玉と同様、法律や規則が大切にされていた時代が表れている。なお、日本には奈良時代に入ってきた言葉とされる。

金科玉条の使い方・類語もチェック
次に、金科玉条の使い方と類語を見ていこう。実際の使われ方や似た言葉を知っておくことで、表現のバリエーションが増やせるはず。

金科玉条の使い方・例文
「金科玉条」は、絶対的なよりどころとなる規律として用いられるだけでなく、必ず守り通そうと決意した揺るがない心情を表す際にも使用できる。例文をいくつか見ていこう。

【例文】

「これからも父の教えを金科玉条として生きていく所存だ」

「十年来の金科玉条に従ってきた甲斐があった」

「彼との約束は金科玉条の如く守りきる」

「初代社長が掲げた社訓を金科玉条として、堅実な経営を続けてきました」

「私にとっては営業成績が金科玉条であって、勤務態度などはまったく気にしていない」

金科玉条に似た意味を持つ言葉
同じ意味を持つ「金科」と「玉条」が併置された金科玉条は、「良妻」と「賢母」を並べた「良妻賢母」のように、似た語彙の並びで意味を強調する四字熟語の一つだ。よって、似た語彙が違う並びになった同義語がいくつか存在する。ここでは金科玉条の同義語に加え、類語も紹介していきたい。