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戦闘休止を命じたプーチン氏だが…(ロイター)

 プーチン大統領がロシア正教のクリスマスに合わせて戦闘休止を命じた6日正午(日本時間同日午後6時)から、ロシア軍は侵攻したウクライナ東部や南部で36時間の一方的停戦に入っている。しかし、ウクライナのゼレンスキー大統領は5日夜、同調を求めるプーチン氏の呼びかけを拒否する姿勢を表明。兵士や装備が不足しているロシア軍が態勢を立て直すための時間稼ぎだと分析しているからだ。その一方で、ロシア国民たちは“凶悪犯が街に放たれる”と恐怖におびえている。

 プーチン氏については、重病説が出ている。ウクライナ国防省のキリロ・ブダノフ情報総局長は米ABCニュースのインタビューで、「進行中のがんのため、プーチンの死が差し迫っていることを知っている。プーチンに近い情報源からの確実な話だ」と述べた。

 ウクライナ侵攻後、ロシア正規軍の将軍たちよりも、ロシア南部チェチェン共和国の軍閥指導者ラムザン・カディロフ首長や、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」グループのボスであるエフゲニー・プリゴジン氏が大活躍している。

 そのワグネル傭兵部隊はロシアの刑務所にいる囚人、特に殺人を犯すなど、人を殺すことにためらいがない凶悪犯を重点的にスカウト。最前線で6か月戦闘すれば、恩赦を与えるという条件だ。

 そんな中、ウクライナ保安庁(SBU)とウクライナの法執行機関と連携しているメディア「ラジオ・スヴォボダ(自由)」が6日、「ワグネル傭兵部隊から恩赦された殺人鬼」と報じた。同メディアは米合衆国議会の出資によって運営されている報道機関で、チェコ・プラハに本部を置き、東欧からロシアにかけてラジオ放送やネットでの情報発信を行っている。

 これまで欧米メディアは「最前線に送られ、生きて戻ってこられる兵士はいない。ひき肉製造場だから」と報じていた。実際、ロシアの有名殺人鬼の死亡が伝えられた。

 しかし、ラジオ・スヴォボダでは「最初に最前線に送られた囚人兵士約20人が戻ってきて、前科が抹消された。ロシア国営メディア・RIAノーヴォスチがプリゴジンが恩赦を与えた囚人兵士と握手する動画を公開した」と報じた。

 動画の中で、プリゴジン氏は囚人兵士に対し「あなた方はこの半年でアドレナリンを使い果たしたので、少なくとも1か月は悪さはしないだろう。酒を飲み過ぎないように。ドラッグを使わないように。レイプしないように。セックスは愛のためか、カネのためだけにするものだ。あと、健康のためにたばこを吸わないように」と告げた。

 恩赦を与えられた殺人犯、強盗犯の元受刑者がロシアの路頭に放たれることになる。

 ラジオ・スヴォボダはその何人かを特定。ドミトリー・カラヴァイチク元受刑者は覚醒剤製造・販売グループのトップ、アレクサンドル・スエトフ元受刑者は宝石強盗グループのトップ、アナトリー・サルミン元受刑者は複数の殺人犯だ。

 同メディアのコメント欄には「ロシアは犯罪者を街に戻した」「犯罪が増加する」など悲痛なコメントが相次いで投稿されている。

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