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世界で話題になっているヘンリー本(ロイター)

 ヘンリー王子の回顧録「スペア(予備)」が世界16か国の言語圏で発売され、ノンフィクションとしては各国で過去最速の売れ行きとなっている。「スペア」というタイトルの真意が明らかになり、同情の声も上がっている。

 複数の英米メディアが「ヘンリー王子は、将来の国王となるウィリアム皇太子が病気になった時に臓器を提供するための予備として育てられた。まさにスペアパーツとして飼育された」などと報じている。回顧録にも「私は影であり、サポートであり、プランBでした。ウィリーに何かが起こった場合に備えて、私は生まれただけです」と記されている。

 現在、王室トップはチャールズ国王で、後継者はウィリアム皇太子となる。かつて、ヘンリー王子はその次だった。自分の役割は「兄の気晴らし」「遊び相手」、そして「スペアパーツ」と述べている。そのパーツとは「臓器提供、輸血、骨髄移植」のことだという。さらにはウィリアム皇太子が不慮の事故で亡くなった時のスペアでもある。

 また、チャールズ国王とウィリアム皇太子は同じ飛行機に乗ることはなかったという。墜落して2人同時に亡くなると、王室が崩れるからだ。一方でヘンリー王子は「私はスペアなので、誰と飛行機に乗ろうが、何をしようが気にされませんでした。生まれた時からスペアという意識付けをされ、その後、定期的に強化されました」として、家族の中での〝使い捨て〟の立場について主張した。自分の体が兄の〝スペア〟にすぎないということは、故ダイアナ妃、故エリザベス女王からも植え付けられてきたという。

 今や王位継承順位は1位がウィリアム皇太子で、ヘンリー王子は5位。もう相続人、予備としての役割は低下したからこそ、自由に生きたいと望んでいるというのだ。こうした告白でヘンリー王子への同情論がどこまでのものになるか。

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