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池田組事務所(C)共同通信社

 大物組長を守ったボディーガードの一人は、なぜか敵対する6代目山口組傘下の幹部組員だった。

 昨年10月、6代目山口組系山健組傘下・妹尾組ナンバー2の若頭、吉永淳被告(51)が岡山市内の理髪店で散髪していた「池田組」(岡山市)の池田孝志組長(77)に襲い掛かり、返り討ちに遭った事件。

 ヒットマンの吉永被告に正当な範囲を超える反撃を加えて、ケガを負わせたとして、県警岡山西署は11日、ボディーガード役の池田組組員、森田博行(44)、池田組傘下の組員、山川京介(37)、そして6代目山口組傘下の幹部組員、井坂友昭こと金敏昭(68)ら3容疑者を傷害容疑で逮捕した。

 事件は26日午後1時過ぎに発生した。吉永被告は店に入るなり、「いけだぁーーー」と大声で叫びながら、店内にいた山川容疑者の顔面に催涙スプレーを浴びせ、サバイバルナイフを振り回した。山川容疑者は組長を守るため、とっさに吉永被告を取り押さえ、駐車場で待機していた森田容疑者も騒ぎを聞きつけて駆け付け、なぜか現場にいた山口組傘下組員の金容疑者も池田組側に加勢。吉永被告はボッコボコにされ、左上顎を骨折。店内は血まみれとなった。

 ヒットマンが所属する妹尾組の上部組織にあたる山健組(神戸市)は2015年、池田組とともに山口組を離脱し、神戸山口組を結成。池田組長は舎弟頭として潤沢な資金で組を支えたが、昨年、山健組は6代目山口組に復帰したため、池田組とは敵対関係に変わった。

「金は6代目山口組系の組員として登録されていて、現状はどうなっているのか分かりません。捜査員が現場に着くと、3人で吉永被告を押さえつけていた。なぜ金が店内にいて組長を守ったのかも不明です。こっちが聞きたいくらい」(捜査事情通)

■「過剰防衛」と判断した理由

 金容疑者はもともと神戸山口組系の組幹部で、2017年には一般人の男性を脅し、左手の小指を包丁で切断させた疑いで逮捕されている。その後、大阪市内に拠点を置く6代目山口組の2次団体「吉川組」に移籍した。

 警察は正当防衛や緊急避難の範囲を超えたと判断し、ボディーガード3人の逮捕に踏み切った。

「吉永は3人に押さえつけられ、気絶していました。すでに抵抗できない状態にありながら、必要以上に暴行を加えられた可能性があり、過剰防衛とみなされたのです。3人のうちの誰か、もしくは全員が吉永の顔面を殴打したとみています」(前出の捜査事情通)

 6代目山口組を飛び出した山健組が元サヤに収まり、山口組傘下の幹部組員が敵対する池田組の護衛とは、「極の道」はワケが分からない。

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