2023年1月18日 20時02分    東京新聞
https://www.tokyo-np.co.jp/article/225992

 永岡桂子文部科学相は18日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対し、宗教法人法に基づく3回目の質問権を行使した。信者からの献金や、教団本部がある韓国への送金など約80項目について報告を求めた。回答期限は2月7日。
 教団の資金の流れや、献金集めの指揮命令系統などを解明する狙い。行為の組織性、悪質性、継続性の度合いを調べ、解散命令を裁判所に請求する可否を判断する証拠を積み上げていく。文科省は報告を求める約80項目の詳細は明らかにしていないが、大きく分けて(1)組織・運営(2)予算・決算・財産(3)献金(4)海外との送受金(5)教団職員の給与手当・退職金、の5つに分類できるという。

 昨年11月に行使した1回目の質問では、教団の「組織・運営」「収支・財産」の報告を求めたが、12月に教団から提出された書類では解散命令請求に向けた立証には不十分とした。昨年12月の2回目の質問では、教団の責任を認定した民事判決や、2009年に教団が公表したコンプライアンス宣言の履行状況について報告を求め、今月6日に回答が届いた。
 18日午前、宗教法人審議会が開かれ、3回目の質問事項を諮問。冒頭には永岡文科相があいさつした。宗教関係者や有識者ら委員19人のうち、オンライン参加4人を含む17人が出席。信教の自由は「侵害しない」と結論付け、全会一致で了承された。質問の通知は午後4時10分ごろ、書留で教団へ郵送された。
 文科省は1、2回目の回答や、教団の被害者救済に取り組む全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)からの情報などの精査を進めている。(榎本哲也)