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「俺は覇王だ」

フィリピンの「ビクタン収容所」で拘束されている、闇バイト強盗の指示役「ルフィ」こと渡邉優樹容疑者(38)は自らをこう呼んでいたという。


渡邉容疑者が、フィリピン人女性への暴行などの疑いで逮捕されたのは21年4月だ。

「渡邉容疑者は、当時マニラ湾を臨む5つ星の最高級ホテルに滞在していました。毎晩のようにXIP専用のカジノに通い、最高級待遇のゲストとして飲食は無料だったとか。カジノでは、複数の女性が渡邉容疑者に寄り添っていたという証言もあります。

逮捕状をとった捜査員がホテルに乗り込むと、渡邉容疑者はスウィートルームで自身の誕生バーティを開いていたそうです(逮捕翌日が渡辺容疑者の誕生日)。部屋には日本人6人、韓国人3人の他、フィリピン人の女性コンパニオンが多数おり、テーブルの上にはロブスターやケーキなどの高級食材が並んでいたとか。渡邉容疑者は5000万ペソ(約1億2000万円)を渡し『見逃してくれ』と要求したそうですが、捜査員に拒否されました」(全国紙国際部記者)

◆「タナカ」の名前で「受け子」募集

渡邉容疑者は、逮捕後も関係者に高額な賄賂を払い優雅な生活をおくっていた。床にゴキブリが這いトイレには糞尿がまみれる「ビクタン収容所」で、エアコンのきいたVIPルームで快適に暮らしていたという。なぜ渡邉容疑者は、多額のカネを持っていたのだろうか。

「特殊詐欺などで得た現金を、日本から運んでいた女がいるんです。女は窃盗の罪で、20年10月に懲役4年6ヵ月の実刑判決を受けた32歳のA。19年3月に知人の紹介で訪れたフィリピンで、実業家を自称していた渡邉容疑者と会い交際を始めました。翌月には再びマニラを訪問し、渡邉容疑者に2000万円ほどを渡したことがわかっています。19年だけで7回渡航して、譲渡額は数千万円になると思われるんです。

Aには『運び屋』以外の役割もありました。SNSを通じ、高齢者から現金やキャッシュカードを受け取る『受け子』を募集。『封筒に入れて保管しろ』と、具体的な指示を出していたようです。秘匿性の高い通信アプリ『テレグラム』では、『タナカ』という偽名を使っていました」(同社会部記者)

渡邉容疑者の交際相手Aは19年6月、フィリピンから帰国直後に東京・新宿の薬局店前で「受け子」から1275万円を受け取っている。5ヵ月後の同年11月に大阪府警が窃盗容疑で逮捕。大阪地裁で実刑判決を受けたのだ。

「『(渡邉容疑者が主犯格の)グループが犯罪収益を確実に回収することに貢献し重要な役割を果たした』というのが判決理由です。犯行内容から、渡邉容疑者の信頼が厚かったことがうかがえます」(同前)

2月中にも強制送還される可能性のある渡邉容疑者。その供述から、特殊詐欺や闇バイト強盗の全貌が明らかになるかもしれない。