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ソウル南山公園にある安重根義士記念館の安重根像(著者撮影)

“魂を揺さぶる”反日映画に観客300万
 テロ行為を礼賛しフィクション反日史を作り続ける韓国との和解と協力は永久に…と思う日本人は少なくないのではなかろうか。

 韓国で、安重根(アン・ジュングン)を扱ったミュージカル映画「英雄」が去年年末の公開以来、観客300万人を突破し、ヒットしているらしい。

 安重根は1909年10月、中国ハルビンの駅構内で初代韓国統監だった伊藤博文を銃撃した暗殺犯。韓国では「義士(ウィサ)」と呼ばれ、その行為を「義挙(ウィゴ)」と称し、「民族の英雄」として扱われている。

 映画は、事件から100周年の2009年に初演された同名のミュージカルが原作となっている。

 安重根が仲間を誘って「断指同盟」をつくり、薬指を切断して血書をしたためる場面の合唱シーンや、母親が死刑判決に控訴するのは、日本に命乞いをすることだから死刑を受け入れよ、と獄中の息子に手紙を書くシーンで、母が歌う歌は、見る人を涙させずにはおかない映画のハイライトとなる。

 まさに“魂を揺さぶる”ような演出、歌唱シーンが次々展開される。

安重根が「安倍首相を狙撃する」という小説も
 実は、同じく安重根をテーマに今年公開予定の「ハルビン」という映画もあり、こちらはドラマ「愛の不時着」で主演したヒョンビンが安重根役を務めるということで早くも話題になっている。

 その宣伝文には、「大日本帝国に奪われた大韓帝国を取り戻すために命をかけた独立闘士たちの物語を描いたスパイアクション大作」とある。

 安重根と「スパイ」がどう関係するのかはよくわからないが、「スパイアクション大作」と銘打っているので、興行的成功を狙ったエンタメ作品の雰囲気が早くも濃厚でもある。

 この映画の原作というわけではないが、歴史小説家キム・フンが書いた同名の小説も去年出版されベストセラーになった。

 しかし、こちらは歴史上の人物を等身大で描くというより、その内面を想像して描いた完全なフィクションだという。

 安重根をテーマにした小説と言えば、2014年8月に韓国の小説家キム・ジョンヒョンが発表した『安重根、安倍を撃つ』という小説があり、安重根が現代にタイムスリップして狙撃手となり、安倍晋三首相を狙撃するという、とんでもない内容だった。

反日のためならKコンテンツの力を活用?
 ところで、映画「英雄」のポスターには「私はテロリストではない。大韓民国独立軍の隊長だ」と書かれている。

 しかし、1909年当時は、まだ大韓帝国であり「大韓民国」も「独立軍」も存在しない。

 安重根が実際に裁判で名乗ったのは「大韓義軍の参謀中将」という肩書きであり、もともと彼の一家は、今の北朝鮮黄海南道海州(ヘジュ)市の大地主で、農民から小作料を搾取する両班(ヤンバン)だった。いったい何からの「独立」を狙っていたのだろうか。

 韓国では、安重根が「テロリスト」だと呼ばれることには反発が強い。