昨年10~12月期の実質国内総生産(GDP)がマイナス成長となった韓国だが、今年も大荒れだ。国際通貨基金(IMF)は2023年の成長率予測を3回連続で下方修正し、1・7%とした。日本の成長率予測は1・8%に上方修正されており、韓国メディアは「韓国の成長率が日本を下回るのは1998年の通貨危機以来25年ぶり」と危機感を強めている。

IMFの世界経済見通しで、韓国の成長率予測は昨年7月に2・9%から2・1%に、同年10月には2・0%に、最新の今年1月末時点で1・7%に下方修正された。

IMFは23年の世界全体の成長率予測を2・9%とし、昨年10月時点から0・2ポイント上方修正した。米国やユーロ圏、中国も上方修正しており、韓国の弱さが目立つ。

一方、日本の成長率予測は1・8%と、昨年10月時点から0・2ポイント引き上げられた。先進7カ国(G7)でトップの水準だ。IMFは「金融・財政政策の継続的な支援や円安による高い企業収益などが企業投資を下支えする」と分析している。

欧米各国が高いインフレを抑制するため金融引き締めを加速させているが、日本は現状では金融緩和政策を継続していることがプラスに働いているようだ。

こうした状況に黙ってはいられないのが韓国メディアだ。

朝鮮日報(日本語電子版)は今月2日付の社説で「過去65年間で韓国の成長率が日本より低かったのは、1980年のオイルショックと1998年の通貨危機だけだった」「韓国経済が『パーフェクトストーム』(全体的危機)に直面したと言っても過言ではない」と懸念する。

経済不振の震源地は主力の半導体産業だ。国内最大手のサムスン電子が1月31日に発表した22年10~12月期の連結決算は、営業利益が前年同期比69%減だった。中でも主力の半導体部門の営業利益は97%減となり、全体の利益を大きく引き下げた。23年もスマートフォンなどの需要不振が続くとの厳しい見通しを示している。

半導体市況では米国や台湾、日本が大規模投資を行うなど、競争が激化している。米国の対中半導体規制も影を落とす。

韓国側は日本にいわゆる元徴用工問題の解決をもちかけ、半導体素材の輸出管理で優遇する「グループA(『ホワイト国』から改称)への再指定をもくろんでいるとされる。これも韓国経済の窮状と無関係ではなさそうだ。

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