【独自】スペースジェット、開発中止決定 次期戦闘機に知見生かす

https://news.yahoo.co.jp/articles/9b00b6d129f6cf5ab3f5f00705b1da4b6c827d90

 三菱重工業(7011)は、ジェット旅客機「三菱スペースジェット(旧MRJ)」の開発を中止する方針を固めた。近く正式発表する。同社は取材に対し「開発を中止した事実はない」とコメントした。国が機体の安全性を証明する「型式証明(TC)」を取得しても事業として成立しないため、これ以上の投資は難しいと判断した。スペースジェットの開発で得た知見は、日本と英国、イタリアの3カ国で共同開発する次期戦闘機などに生かす。

 三菱重工は「一旦立ち止まる」との表現で、スペースジェットの開発を2020年10月30日 に事実上凍結。関係者によると、TC取得に関する費用は今後も数千億円規模でかかる見通しで、開発を続けても事業として成立しないとの結論に至ったという。

 スペースジェットの納期は当初、2013年だった。2008年に開発がスタートし、納期は6度もの延期で2021年度以降としていたが、ついに未完の航空機となった。

 開発する子会社の三菱航空機は、三菱重工に資産を移管するなどの準備を経て清算する見通し。

 すでに米ワシントン州にあるスペースジェットの飛行試験拠点「モーゼスレイク・フライトテスト・センター(MFC)」は2022年3月末で閉鎖。米国で試験を行っていた4機の飛行試験機のうち、3号機(登録記号JA23MJ)の日本国籍機としての登録は3月で抹消され、機体は解体された。