副業にチャレンジしている人が増加傾向にある昨今、江戸時代の下級武士も現代と同様に生活苦から、副業をせざるを得ない状況だったことをご存じでしょうか?

江戸時代はどのような副業で生計を立てていたのか、現代と比べて違いはあるのか、詳しくみていきましょう。

江戸時代の下級武士は低収入で悩んでいた!?
江戸時代の下級武士が低収入で悩んでいたことをご存じでしょうか? 下級武士は戦で手柄をたてて褒美をもらい、新しい領地を得ることで収入が上がっていました。

しかし江戸時代は戦が減少した時代だったため、幕府や藩の役職に就いている下級武士たちは安泰でしたが、役職に就けない下級武士は貧しい暮らしをしていたのです。

下級武士の仕事内容
下級武士の生活は朝、城や城下の役所に出勤して仕事をした後夕方に帰宅する、いわゆる会社員生活です。仕事量に対して下級武士の数が多すぎたため、忙しさはありません。下級武士の仕事は、週1回や1日行ったら2日休みといった現代でいうシフト制のような働き方が一般的でした。そのため、空いた時間で内職をして生活費を稼いでいました。

江戸時代の貨幣価値を現在価値にすると
江戸時代の歴史は260年と長きにわたるため、貨幣価値について一概にはいえません。江戸時代の貨幣価値について、日本銀行が回答として挙げている貨幣博物館の見解も簡単には回答できないとしています。

ただし1つの目安として、米価から計算した金1両の価値を江戸時代初期で約10万円としています。1両が10万円とすると他の貨幣価値は1両=4分(ぶ)=16朱(しゅ)=50匁(もんめ)=4000文(もん)です。1両10万円として、下級武士がどの程度生活が苦しかったのかみていきましょう。

下級武士の給料は年収80万円と米
江戸時代の武士は給料をもらっていましたが、武士のランクによってもらえる給料は異なりました。武士全体の平均年収は税金を引かれ約500万円(50両)といわれています。

一方、下級武士は米を自分たちで食べる分だけを確保し、残りを現金に換えて生活していました。米を現金化した後の年収をみると約80万円(8両)といわれています。

年収約80万円とすると月収約6万6000円となり、今よりもお金がかからない時代であったとはいえ、下級武士の生活は庶民の生活と同様に貧しい暮らしだったのでしょう。1両10万円の場合、1両は4000文となり1文25円の価値といえます。その場合江戸時代に売られていた食べ物や傘などの金額は図表1のとおりです。

【図表1】

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日本銀行金融研究所貨幣博物館 お金の歴史に関するFAQ より筆者作成

江戸時代に人気のあった副業

貧しい暮らしをしていた江戸時代の下級武士は空いた時間を使って副業をし、生計を立てていました。江戸時代の下級武士に人気があった副業はどのようなものか紹介します。