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東京新聞の望月衣塑子記者

 財務省の文書改ざん事件で自死した赤木俊夫さん(当時54)の遺族とのトラブルで、信用が失墜した東京新聞の望月衣塑子記者(48)。いま彼女が執心しているのが齋藤健法務大臣の記者会見だという。だが、同業者からの評判はあいも変わらずで、「自分の意見を述べたいがために会見を利用している」「記者という立場を利用して、特定団体の宣伝をしている」と辛辣なのである。
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赤木さんの遺族からはいまも“逃亡中”
 彼女を一躍有名にしたのは、安倍内閣時代の菅義偉官房長官会見だった。菅氏から煙たがられながらも「森友学園問題」について執拗に質問を続ける姿勢が、“権力に斬り込む真のジャーナリスト”と評価され、ついには著書「新聞記者」がNetflixで映像化までされた。

 だが、赤木さんの遺族が「作品内容が事実とまるで違う」と抗議すると、望月氏は説明責任を果たさないまま“逃亡”。遺族はいまも「報道目的で借した資料を無断流用された。資料を返してほしい」と望月氏に呼びかけているが、無視を決め込んだままだ。

 政治部記者が騒動を振り返る。

「そもそも、菅官房長官会見の時から彼女の振る舞いはめちゃくちゃでした。前提となる質問に、思い込みや事実誤認が多い。限られた時間のなかで他社が簡潔な質問を心がけているのに、一人でワーワーと時には10以上も質問を被せていくのです。自己アピールのために記者会見を利用しているという批判は絶えなかった」

中学生作文コンテストに“噛みついた”
 そんな彼女の変わらぬ姿勢がいまも見受けられるというのが、齋藤健法務大臣の閣議後会見だ。昨年末あたりからよく出席するようになったという。

「2021年に名古屋入管でスリランカ人のウィシュマさんが死亡した事件に強い関心を持っているようで、たびたび、入管法改正問題について質問しています。ただ、そのやり口があまりに強引でして……」(前出・政治部記者)

 記者たちが「特にひどかった」と批判するのが、2月3日の会見である。まず、冒頭で齋藤大臣から次のような報告があった。

「今朝の閣議におきまして、法務省案件はありませんでした。続いて、私から、第41回全国中学生人権作文コンテストの入賞作品の選出についてご報告いたします。このコンテストは、中学生の皆さんが人権の大切さについて考えた作文を募集するもので、今年度で41回を迎えました。今年度は、全国の6000を超える中学校から、77万通もの作品が寄せられ、この度、内閣総理大臣賞をはじめとする入賞作品が選出されました」

 大臣はこのほのぼのとした話題を「積極的に周知してほしい」と記者たちに呼びかけた。だが、ひとり望月氏はこう噛み付いた。

「77万通の作文を全部見れたとは思えないのですけれども、この中にはおそらく、今問題とされている入管法改正や外国人、入管収容者に対する法務省等々の問題も指摘されていたかなと思われます。こういった作文を目にされたか、そういったものを読んでどう感じられたかという点と……」

「質問」ではなく「意見」
 77万通の中には入管法改正問題に触れた作文もあったはず、と望月氏は決め込んだばかりでなく、彼女自身も言う通り、すべての作文に目を通すことが不可能な大臣に「そういったものを読んでどう感じられたか」と問うたのである。

 質問はさらにこう続いた。

「そして(入管法)改正法案は、今概要説明書等々が出ていますけれども、大阪弁護士会、関東弁護士連合会、東京弁護士会が、相次いで今年に入ってから、この法案提出を見送るようにという声明を出されております。先ほど人権のことを言及されましたが、難民認定申請者の強制送還を法案で可能にすることは……(後略)」