2/17(金) 18:59   毎日新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/1283873de90f09932cff1cbc297d51901b3a9b9c

 岸田文雄首相は17日、LGBTなど性的少数者の支援団体の関係者と首相官邸で面会し、性的少数者や同性婚に対する荒井勝喜(まさよし)元首相秘書官の差別発言について「不快な思いをさせた」として陳謝した。差別発言後、首相が関係者に直接謝罪するのは初めて。首相は、森雅子首相補佐官(女性活躍担当)の担務に「LGBT理解増進」を加えると発表し、「多様性を尊重する社会」の構築に向けて努力していく考えを強調した。

 面会したのは「プライドハウス東京」「LGBT法連合会」「ReBit」の関係者。首相は、荒井氏の発言について「不当な差別と受け取られる極めて不適切なもので多くの方に不快な思いをさせたことに、心からおわびを申し上げたい」と陳謝。「多様性が尊重され、全ての人々がお互いの人権や尊厳を大切にする社会を目指すべく、努力していかなければならない」と説明した。

 政府は、差別発言から3日後の6日、性的少数者から直接意見を聞く機会を「できるだけ速やかに設ける」と表明した。今回の面会は「多様性」を掲げる政権の方針に揺らぎがないことを明確にする狙いがある。森氏の担務について、松野博一官房長官は17日の記者会見で「LGBTに関する理解を国民に広く普及する役割を担う」と説明した。

 出席者によると、首相は、同性婚を法制化すれば「社会が変わってしまう」と述べた国会答弁について「決してネガティブな意味で言ったことではない」と理解を求めた。LGBT法連合会の神谷悠一事務局長は面会後、記者団に対し、首相に「法や制度が変わることが大事だ」と訴え、3団体として差別禁止や同性婚の法制化などを求めたと明らかにした。「抜本的に政策が加速し、変化していくことを期待している」と語った。