2023/02/27 13:30  日刊ゲンダイデジタル
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 岸田自民党には故人しか“売り”がないのか──。26日開かれた自民党の党大会。ところが“岸田カラー”は見当たらず、まるで安倍元首相が主役のような大会だった。

 大会の冒頭、安倍元首相の映像が会場に流れ、さらに安倍元首相が生前に弾いていたことで知られる「花は咲く」がピアノで生演奏された。

 異様だったのは、岸田首相が、これでもかと安倍元首相を称賛したことだ。

 締めの挨拶に立った岸田首相は、「昨年の党大会と比べる時、失ったものの大きさを実感せざるを得ない」と述べたうえで、昨年7月の銃撃事件の際、「一報を聞いてヘリコプターで官邸に戻った時の気持ちをいまも忘れない」と語った。さらに「この10年、安倍元首相の強力なリーダーシップの下、多くの仲間と日本の未来を切り開くために、死力を尽くしてきた」と、安倍元首相の“功績”を強調してみせた。

 すでに政権発足から1年半。普通は、どんな内閣でも党大会で誇れる実績の一つや二つはあるものだ。ところが、岸田首相が力を入れて語ったのは、「民主党政権によって失われた日本の誇り、自信、活力」という野党の悪口と、安倍元首相の“功績”だった。

 それもこれも、最大派閥の「安倍派」と「保守層」の歓心を買わなければならないほど、苦境に立たされている裏返しだ。

 支持率が低迷している岸田内閣。目立つのが、自民支持層の“岸田離れ”だ。最新の共同通信の調査では、自民支持層のうち岸田内閣を「支持する」は55.9%と政権発足以来最低となった。“安倍シンパ”だった「保守層」が離れたとみられている。焦った岸田首相が、「保守層」の取り込みを考えたのは間違いない。

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