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組立棟(左)から発射地点に向かって移動するH3ロケット初号機=6日午後4時19分、鹿児島県南種子町(恵守乾撮影)

日本の次世代大型ロケット「H3」初号機が、種子島宇宙センター(鹿児島県南種子町)からまもなく打ち上げられる。予定時刻は7日午前10時37分。先月17日に打ち上げ直前に中止となって以降、徹底的な検証で原因を究明して万全の対策を施し、改めて宇宙に挑む。

H3は、これまでの基幹ロケットH2Aの後継で、JAXAと三菱重工業が新たに開発した。全く新開発の国産液体燃料ロケットの打ち上げは、約30年ぶりとなる。一から作り上げる新ロケットの初号機ゆえ、開発は難航した。

独自の燃焼方式を採用した新エンジンはトラブルが相次ぎ、当初は令和2年度の計画だった打ち上げは2回にわたり延期。ようやくこぎつけた先月17日の打ち上げも、発射数秒前に生じた機体制御システムの誤作動で中止に追い込まれた。

だが、開発チームは全力で誤作動の原因究明に取り組み、わずか約2週間で対策まで完了。地元や関係機関と3月10日までと合意していた、打ち上げの予備期間に間に合わせた。

H3は将来、民間企業の衛星打ち上げを大量に受注し、日本の宇宙ビジネス確立に貢献することを目指している。それに向けて打ち上げの実績を積むため、今回は、防災などに利用する国の先進光学衛星「だいち3号」を搭載し、打ち上げから約17分後、高度669キロの軌道に投入する。

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