2023年3月7日 17時47分    NHK
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230307/k10014000431000.html

放送法が定める「政治的公平」の解釈をめぐり、立憲民主党が公表した文書について、松本総務大臣は、総務省が作成した行政文書であることを認めました。一方、文書の中身については、正確かどうか確認できない部分もあるとして、精査を続ける考えを示しました。

立憲民主党は、放送法が定める「政治的公平」の解釈をめぐる総務省の内部文書を入手したとして、当時の安倍政権の圧力で法解釈が変更されたことが示されていると指摘しています。

これについて松本総務大臣は、閣議の後の記者会見で「総務省に保存されている文書と同一で、すべて総務省の行政文書であることが確認できた」と述べ、行政文書であることを認めました。

一方、文書の中身については、「関係者の認識が異なって正確性が確認できないものがあり、引き続き精査、確認を進めているが、8年が経過しており、いろいろな課題がある」と述べ、精査を続ける考えを示しました。

また、作成者については、確認できたものとできなかったものがあるものの、前後の資料などから行政文書と判断したとしています。

その上で「当時の礒崎総理大臣補佐官から『政治的公平』の解釈に関する問い合わせがあり、総務省の本来の業務の一環として適切に対応した。放送行政に変更があったとは認識していない」と述べ、法解釈は変更していないと重ねて説明しました。

総務省 行政文書78枚を公表
総務省は、放送法が定める「政治的公平」の解釈をめぐる行政文書78枚を、7日、ホームページで公表しました。

公表された文書は、「取扱厳重注意」などと記されたものも含まれ、放送法が定める「政治的公平」の解釈をめぐり、総務省の幹部と当時の礒崎総理大臣補佐官や高市総務大臣とのやりとりとするメモなどが記されています。

総務省は「すでに立憲民主党が同じ内容の文書を公開していることを踏まえ、黒塗りなどはせず、すべて公表することとした」としています。
高市経済安保相「私に関して書かれた4枚はねつ造と認識」
高市経済安全保障担当大臣は、記者会見で「私に関しての部分は4枚だが、作成者が書いていないし、日時が特定できていない。同席していたとされる方々にも確認し、認識は一緒だった。私と安倍元総理が電話をしたという内容が書かれていたが、していないし、そのような話もしていない。できる範囲のことは調べ、内容が不正確だと確信を持っている」と述べました。