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“クックパッド芸人”を自称し、自らのキッチンに1000品以上のレシピを掲載している「藤井21」さん。1人(ソロ)で作って1人で食べるという「ソロ飯」を日々楽しんでいるそう。藤井21さん自作のおすすめレシピと、悲喜こもごものエピソードをご紹介します。

どの社会においてもそれぞれの個には役割があり皆その役割をこなしている。

アリの社会では女王アリがいて、その身の回りの世話をするアリがいる。巣の中で食料の管理をするアリもいれば、外から食料を運んで来る働きアリもいる。

料理という社会でも同じように役割があると思う。ハンバーグや唐揚げ、焼き魚なんかのメインおかず系は白飯が進む料理の主軸。味噌汁なんかの汁物も欠かせない縁の下の力持ちだ。お漬物や煮物なんかも、燻し銀のいい働きをする副菜。

料理においても、それぞれにしっかりとした役割がある。さてこの料理という社会で『ぬた』という存在はどこに位置づけられると思いますか?

話は変わるが、毎月配信している当コラムは何も毎月僕の好きな料理への思いの丈を綴りレシピを添えてお届けしているわけではなく、毎月の題材をどうするか担当編集者と相談して決めているわけです。

もちろんその時に、僕自身が興味がある料理や食材を提案したりその時節の旬の食材なんかを扱うことが多いわけですが、編集者の意見が採用されることもあるわけです。

そして今回のテーマはその編集者の強い『ぬた推し』があって実現している。

担当編集「前に高知に住んでたんですけど、高知では刺身をぬたで食べるんですよ」
私「・・・・はぁ?」

ぬたと言えばあさりやイカ、それにねぎや菜の花の組み合わせはよく呑み屋でもよく見かける。

それを言うに事欠いて刺身とは。みんな大好きお刺身。白飯とも相性良し、酒の肴にも最高、日本人の心の刺身。合わないわけではない。合わないわけではないが、ベストではない気が...

担当編集「高知は大人も子どもも刺身はぬたです!わさび醤油よりむしろぬたですね!!」

ははん…これは盛ってるな。

担当編集「ぬたでいきましょう!刺身に合うぬたの黄金比とか知りたいです!!」

良い。それは非常に良い。確かにぬたって酢、味噌、砂糖とシンプルな組み合わせが幸いしてか、いつもザックリと適量を混ぜ合わせて何となくぬたになっている気がする。だがしかし、これぞというビシッとした比率はぼんやりとしている気がする。そこまで言うなら刺身に合うぬたの黄金比を見つけようじゃないか。

~数日の試行錯誤~

ついに我々はたどり着いたのだ!これが理想のぬただ!甘味・酸味・塩味の程良いバランス。これが現状、我々がたどり着ける刺身に合うぬたの黄金比だ!

さてさて件の高知のぬたはどんなもんですかね。もうネットがあれば色んな情報が根掘り葉掘りもう洗いざらい丸裸だからねぇ。

えっと「高知 ぬた」っと・・・・。

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えっ・・・・緑いいいぃぃ~

緑いんですけども高知のぬた!?えーっと何々、高知県で食べられるぬたは味噌、砂糖、酢のほかに葉ニンニクを使うものが一般的で刺身にかけて食べられる料理である。なんだそれっ!!!!*

葉ニンニクってあんた。あれでしょニンニクからにょきにょき育ったあの部分でしょ。そりゃ緑いぃになるわよね。へーなるほどねあれを使うのね。確かに風味とか良さそうだもんね!うん刺身に合いそう!!・・・・じゃねーわ!!

根本から材料が違うじゃねーか。黄金比は何だったんだ。まさにぬた喜びってか!いやそもそも色々試行錯誤する前にそれくらい調べておけよと言われればそうなのかもしれないけどさ。ええい根本から見直しだ!!

つづき
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