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事故から4年となり、現場となった交差点近くに設置された慰霊碑に手を合わせる松永拓也さん=東京都豊島区で2023年4月19日午後0時21分、幾島健太郎撮影

 東京・池袋で高齢者が運転する乗用車が暴走し、12人が死傷した事故から19日で4年。妻真菜さん(当時31歳)と長女莉子ちゃん(同3歳)を亡くした松永拓也さん(36)は事故が起きた午後0時23分に合わせて現場近くの慰霊碑に献花し、2人の冥福を祈った。松永さんは「2人の命を無駄にしないと改めて誓った。この世のすべての命は2人と同じように尊いもの。だからこそ、互いの大切な命を守り合う、愛のある運転をしてほしい」と声を詰まらせた。

 慰霊碑の前には献花台が設けられ、花やお菓子、絵本などを供える人が絶えなかった。運転免許証の自主返納証明書を持って追悼に訪れた人もいた。東京都練馬区の主婦、稗田里穂さん(34)は「私にも莉子ちゃんと同じくらいの年の娘がいるので人ごととは思えなかった。いつも2人のことを思い出して気をつけています」と手を合わせた。

 事故は豊島区東池袋4の都道で2019年4月19日に発生。旧通産省工業技術院元院長の飯塚幸三受刑者(91)が運転する乗用車に、自転車で横断歩道を渡っていた真菜さんと莉子ちゃんがはねられて死亡したほか、飯塚受刑者を含む10人が重軽傷を負った。【高井瞳】

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