その職に就いたら、話のネタになること間違いなし! そんなふうに、世間一般にはあまり知られていない珍しい仕事が、日本には数多く存在します。

本記事では、社会問題となっている孤独死の現場と向かい合う過酷なものから、2022年に国家資格が施行されて今後の展開が楽しみなものまで、珍しい仕事を5種、ご紹介します。

一目置かれる変わった仕事をお探しの方は、ぜひ参考にしてみてください。

特殊清掃員
【年収:260~300万円くらい】

特殊清掃員とは、通常の清掃作業では対応できない、以下のような特殊な現場を処理する清掃員のことを指します。

・孤独死現場
・ゴミ屋敷
・水害現場
・火災現場
・多頭飼育崩壊現場

これらの現場の汚れは、市販の洗剤や掃除道具を用いた方法では対応できません。そこで、特殊清掃員による、特殊な薬剤を使用した清掃や除菌消毒、徹底消毒、床材などの解体が行われます。また、業者によっては、特殊清掃後のハウスクリーニングや遺品整理、家財撤去、ゴミの処分などを請け負うケースもあります。

特殊清掃員の平均年収は300~400万円くらい。一般的な清掃員の平均年収200~250万円くらいを上回るものの、過酷な環境下での精神的・肉体的負担を考えれば、決して高いとはいえません。

臭気判定士
【年収:約340万円】

臭気判定士は、事業活動によって発生する悪臭を規制するための法律「悪臭防止法」の施行にあたって必要となる、臭気指数(臭いの強さを表す数値)などの測定業務を担う職業。測定に必要な知識を問う試験と嗅覚試験を合わせた、臭気判定士試験の合格者にのみ与えられる、国家資格です。2022年度の合格者は、受験者530名中113名、合格率は21.3%となっています。

臭気判定士の主な業務は、臭いの判定能力を試される「嗅覚検査」、臭いを採取する「試料採取」、臭いを判定する「判定試験」、データから臭いの強さを導き出す「臭気指数の算出」の四つです。

臭気判定士の年収は、全国平均でおよそ338万円。東京では500万円を上回る場合もあるなど、地域差がみられるようです。

潜水士
【年収:約431万円】

映画『海猿』で一躍有名となった潜水士は、水に潜って水中での調査や撮影、救助活動などを行う仕事です。潜水士になるためには、国家試験に合格する必要があります。国家試験の合格率は約80%といわれており、比較的難易度の低い資格といえるでしょう。

主な就職先として、民間企業や海上自衛隊、海上保安官、警察・消防の救助隊などが挙げられます。また、フリーランスで活動する人もいるそうです。

年収は就職先によって異なりますが、平均して600~700万円程度。キャリアを積むことで、1000万円を超えるケースもあります。

ひよこ鑑別士
【年収:約500~600万円】

ひよこ鑑別士の正式名称は「初生雛(しょせいひな)鑑別師」。生まれたばかりのニワトリのヒナの性別を見分ける仕事です。ニワトリの飼育では、早期からオスとメスそれぞれに、目的別のエサを与える必要があるため、養鶏産業において、ひよこ鑑別士は非常に重要な存在となっています。

ひよこ鑑別士になるためには「初生雛鑑別師養成講習」で5ヶ月間の訓練、その後の実経験、さらに「公益社団法人畜産技術協会」の予備試験と高等考査の合格が必須です。

高収入とうわさされることもあるひよこ鑑別士ですが、実際の年収は500~600万円程度。国内登録者は、2018年で117名と少なく、高齢化によりさらに減少傾向にあるようです。