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お腹がいっぱいなのか、なぜなのか、鹿せんべいを食べない奈良のシカ。地面にせんべいが散らばっています(いずれも提供写真)

ゴールデール真っただ中に、奈良公園で撮影された、ある写真がツイッター上で話題になっている。一見、のんびりと地面に体を横たえるシカ。でも、周りには鹿せんべいが散乱していて、「もう飽き飽きです」と言わんばかりに、そっぽをむいているようにも見える。撮影者の奈良市民によると、大型連休で観光客が殺到しているといい、「こんなにシカに無視されるのは初めての体験」と驚く。一方で、ソフトクリームやお菓子をあげるなどマナー違反する観光客もおり、下痢をしているシカも見受けられるという。

4日午後2時半ごろ、県外から来た友達と奈良公園を散策していた女性。写真のシカは、奈良国立博物館の近くで撮影した。観光客がごった返しており、「鹿せんべいを持ってうろうろしている人が多かったです。シカがお腹いっぱいで、食べてくれてくれないからですかね」と女性。普段は歩いているだけでシカが寄ってくるというが、この日は、近付いても反応しないシカが多かったという。

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奈良の現地にあったというせんべいの与え方のお願い。お腹を壊すため、せんべい以外はあげないでと書いているけれど…。

鹿せんべい以外の食べ物はあげないで!お腹をこまわします―。奈良公園内には、いろんなところに、注意書きの看板が立てかけられ、こう書かれている。だが、守らない観光客もいたという。「外国人観光客が差し出したソフトクリームをバグバグ食べていました。鹿せんべいの食い付きが悪くて、面白くなかったのかな。下痢をしている子もいたので…食べ過ぎちゃったのかな」と話す。「赤ちゃんシカに触ってはいけない」など、奈良でのルールを知らない人も多いのではないか、と女性は推測する。

お腹こわし、死に至ることも
奈良のシカを守る活動をする一般社団法人「奈良の鹿愛護会」のホームページでは、間違ったえさやりを注意喚起している。シカは主にシバと呼ばれる植物のほか、どんぐりや木の葉などを食べる草食動物。パンやお菓子、弁当、野菜、紙類を食べさせると、胃腸障害や虫歯の原因になり、中毒やお腹をこわして死に至ることもあるという。

また、5月中旬からは赤ちゃんが誕生するシーズンに。人間が触れるとにおいが付いて、お母さんシカがお乳を与えなくなってしまうため、「見つけた時はそっと見守ってください」としている。

(まいどなニュース・山脇 未菜美)

https://maidonanews.jp/article/14901142