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衆院財務金融委員会の塚田一郎委員長に対する解任決議案提出後、記者団の取材に応じる立憲民主党の安住淳国対委員長(右)と共産党の穀田恵二国対委員長=国会内で2023年5月10日午前8時56分、竹内幹撮影

 防衛費増額の財源を確保するための特別措置法案(財源確保法案)を巡り立憲民主、共産両党は10日、同法案を審議している衆院財務金融委員会の塚田一郎委員長(自民党)に対する解任決議案を提出した。財金委では同日中の特措法案採決が予定されていたが、決議案提出に伴い流会した。

 日本維新の会や国民民主党は同調しなかった。解任決議案は早ければ12日の衆院本会議で与党などの反対多数で否決される見通しだが、特措法案の衆院通過は来週以降になる見通しだ。

 立憲の安住淳国対委員長は解任決議案の提出理由について、東日本大震災の復興特別所得税の一部を実質的に防衛財源に転用させる政府方針を巡り被災地で公聴会を採決前に開くべきだと求めたものの聞き入れられなかったためだと記者団に説明。「いまだ大変な生活を強いられている方々が被災地にいる中で国民の声を顧みない行為であり、(財源確保法案の)採決を認めるわけにはいかない」と語った。

 解任決議案提出に先立ち立憲、維新、共産、国民民主4党の国対委員長は国会内で会談し、財源確保法案に反対することでは一致した。立憲は解任決議案への同調も呼びかけたが、維新は「よほどの価値がなければ遅延や邪魔をすることはできませんとお断りした」(遠藤敬国対委員長)という。

 政府は2027年度までの5年間の防衛費を計43兆円に増やす方針で、財源確保法案は財源確保に向け、税外収入を積み立てておく「防衛力強化資金」の創設などを規定している。政府は税外収入の確保などでは足りない分は増税で賄うとしている。【中村紬葵】

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