入管難民法改正案の廃案を訴える大規模デモが12日夜、国会正門前であった。外国人の支援者ら約4000人以上が集まり、「命を殺す法案は絶対通してはいけない!」「3回目の難民申請拒否し、本国か刑務所に送る。そんな法案を許してはならない!」と声を張り上げた。「入管法の改悪に反対する大集会実行委員会」が主催した。

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国会前で入管難民法改正案の廃案を訴え、声を上げる人たち=東京・永田町で(佐藤哲紀撮影)

 仮放免中の外国籍の夫と暮らすまゆみさん(仮名)は「夫は4回目の難民申請中。結婚したら収容はあり得ないと思っていたが、理由なく収容されて現実を受け止められず、弟に泣きながら電話したこともある」とし、「入管は厳正な判断をしているとは思えない。国を分断する法案を許してはいけない」と訴えた。

 エッセイストの小島慶子さんは「行き場のない人を放っておく、働く人や医療につながることができない人を追い返す。これでは国家によるいじめだ。誰が仲間で仲間でないかを、人の命の軽重を、入管が決めることは許されない」とメッセージを寄せた。

 外国人を支援する周香織さんは「18年前、東京の国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)でクルド人一家が、難民条約に加入する日本に保護を求めたが、入管は家族を強制送還して追い出した。再び日本は同じことをするのか」と怒りを口にした。(望月衣塑子)

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