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スーパーなどで販売されたサラダ類に「カエル」が混入するケースが相次いでいます。専門家らは「カエルは今の時期、水場が近い場所にはどこにでもいる」などとして、落ち着いた行動を呼びかけています。

5月11日、長野県上田市内のスーパーでサラダを購入した客から「カエル」と見られる異物が混入していたと店に連絡がありました。

サラダを製造したのは松本市の会社で、カエルは、原材料の野菜に混ざり込んでいたと見られることがわかりました。混入したのは、国内に広く分布する体長2センチから4センチほどの「二ホンアマガエル」だということです。

また23日には丸亀製麺が、「丸亀シェイクうどん」にカエルが混入する事案が発生したと発表しました。

丸亀製麺の発表によりますと、カエルが混入したのは21日に諫早店で提供された「丸亀シェイクうどん」メニューの一つ、「ピリ辛坦々サラダうどん」で、生野菜を使用する一部の商品は25日まで販売を休止するということです。

丸亀製麺は、保健所の指導を仰ぎ、野菜の加工工場でカエルが混入したと判断。生野菜を扱う取引先の全ての工場において立ち入り検査を実施し検品体制を強化するということです。

なぜ、サラダ類へのカエル混入が相次いでいるのでしょうか。

両生類など動物に詳しい鳥取県立博物館の川上靖学芸課長によると、5月下旬から6月にかけては、アマガエルが1年で一番活発な繁殖の時期に入り始めていると言います。

鳥取県立博物館 川上靖 学芸課長
「カエルの場合は、赤ちゃんがオタマジャクシで水の中で育つので、卵を産む場所、水のある場所を求めて活発に動いている時期です」

そのため、水場が近い場所ならカエルはどこにでもいる可能性があると言います。

鳥取県立博物館 川上靖 学芸課長
「実際にどこで混入したのかが分からないので何とも言えないですけど、外にある野菜であれば、色んな生き物がついていたりして当たり前の話かなと思います。もし建物の中であるんだったら、建物の管理の上で、外からの生き物が入りやすい状況があったかなかったかを考えていくのが、原因を考えるポイントかなと思います」

また、爬虫両生類の調査・研究を行っている兵庫県の日本ハンザキ研究所の岡田純理事長は、冬眠から目覚めたカエルが混入した可能性を指摘します。

日本ハンザキ研究所 岡田純 理事長
「5月上旬頃からは田んぼからカエルの鳴き声が聞こえてきますが、近くにある畑で冬眠していたカエルが繁殖のためエサを獲ろうと活発に行動しているので、野菜についたまま収穫し出荷したか、コンテナに入りこんだ可能性もあります」

二ホンアマガエルは立体的な動きができ、自動販売機などでもよく姿を見るカエルで、行動範囲が広いこと。そして小さい個体であるため、レタスなどの野菜に付着しても気付かないことは容易に考えられるということです。

日本ハンザキ研究所 岡田純 理事長
「何らかの拍子で混入することは珍しいことではありません。サラダにカエルが入っていたら驚きますが、少し口に入っても健康被害などはないと考えられるので、落ち着いて行動してほしいと思います」

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/bss/501104