【ソウル=時吉達也】慰安婦問題をめぐる2015年の日韓合意の交渉記録のうち、一部を開示するよう韓国の弁護士が韓国外相に求めた訴訟で、韓国最高裁は1日、原告側の上告を棄却した。「公開すれば日本との信頼関係を損ね、政府の外交交渉力が弱くなる」として原告側の逆転敗訴を言い渡した2審判決が確定した。

原告側が勝訴し、日本の同意なしに協議内容が公開されれば、両国間の新たな外交問題に発展するとみられていた。

弁護士側は慰安婦の「強制連行」に関する日韓協議の内容について公開を求め、16年に提訴。1審ソウル行政裁判所は「非公開とする国益が知る権利に勝るとは思われない」として開示を命じたが、2審ソウル高裁は「韓国への信頼が低下し外交活動に大きな支障が出る可能性もある」として原告側の請求を棄却した。

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