【ソウル聯合ニュース】韓国で5日に新設される在外同胞庁が最初の事業として、日本に暮らす韓国人原爆被害者を韓国に招請する見通しだ。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は先月、先進7カ国首脳会議(G7サミット)に出席するため広島市を訪問した際、在日韓国人被爆者と会った席で韓国に招く意向を伝えていた。

政府関係者は5日、聯合ニュースの電話取材に「在外同胞庁が発足すれば、原爆被害者の韓国招請を初事業として発表する可能性がある」と明らかにした。別の関係者は「同胞が韓国訪問を機にふるさとを訪ねることもできる」とし、自治体側と協議を進めることになると説明した。

大統領室関係者も「尹大統領が大枠で指針を示したため、在外同胞庁が関連行事をしっかり準備していく」と述べた。

在外同胞庁は、730万人に上る在外同胞に関する政策を体系的かつ総合的に実施するため、現政権が政府組織法を改正して新設する組織。世界各地の在外同胞との交流や在外同胞社会への支援などを担う。

その発足直後の在日韓国人被爆者招請は、尹政権が重視する韓日関係正常化への取り組みの延長線上にあるといえる。

尹大統領は先月21日、広島市内の平和記念公園にある「韓国人原爆犠牲者慰霊碑」を岸田文雄首相と共に訪問した。韓国大統領の同慰霊碑訪問は初めてで、韓日首脳がそろって訪問するのも初だった。

これに先立つ19日に尹大統領は市内で在日韓国人被爆者との懇談会を開き、「今ごろになってお会いすることになり申し訳ない」と頭を下げた。「韓国原爆被害対策特別委員会」のパク・ナムジュ元委員長には「故国に一度いらしてください。私たちがお迎えします」と語りかけた。

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