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6月16日、記者会見に臨む立憲民主党の小沢一郎衆院議員(右から2人め)(写真・時事通信)

 6月16日、小沢一郎氏や小川淳也前政調会長ら、立憲民主党の衆院議員が「野党候補の一本化で政権交代を実現する有志の会」を立ち上げた。

 立憲の泉健太代表が、日本維新の会や共産党との次期衆院選での選挙協力を「やらない」とした方針の変更を求めている。

 呼びかけ人となった衆院議員は以下の12人(敬称略)。

 ●阿部知子●稲富修二●小川淳也●小沢一郎●鎌田さゆり●菊田真紀子●手塚仁雄●原口一博●松木謙公●谷田川元●柚木道義●湯原俊二

 これまでに、党所属衆院議員96人のうち53人が賛同したという(6月16日現在)。今後、野党間での予備選の実施を含め、候補者調整を立憲執行部や他党に呼びかけていく。

 小沢氏は同日、自身の事務所のTwitterにこう書きこんだ。

《このたび「野党候補の一本化で政権交代を実現する有志の会」を立ち上げました。野党が乱立すれば自民党を利するだけで、野党は勝てません。党内も野党間の協力と候補の一本化が大事だと思っている人が大多数です。心ある勢力を結集して自民党を倒し、政権交代を実現するために全力で闘って参ります》

 立憲の蓮舫参院議員は同日、自身のTwitterにこのツイートを貼り付けたうえで、こう書きこんだ。

《野党乱立では自民党を利する選挙になります。心ある勢力がまとまり政権与党に向き合うことが強く求められます。対象は衆議院議員とのことですが、賛同します》

 一方、日本維新の会の藤田文武幹事長は17日、自身のTwitterでこう疑問を呈した。

《維新は全ての選挙区に擁立を目指すので、この「野党候補の一本化で政権交代を実現する有志の会」ってのは、立憲共産党で選挙協力しましょう、っていう主張なのかな?すでに各地で調整してるらしいですし》

 維新の馬場伸幸代表は次期衆院選で、全289小選挙区への候補者擁立を目標に掲げている。対する立憲は、150としていた候補者擁立目標を200に引き上げ、泉代表は、150議席を獲得できなければ代表を辞任する意向を示している。

 6月7日には、馬場氏が党役員会で、次期衆院選をめぐり「立憲民主党をまず、たたきつぶす」と述べ、「野党第1党になって、国民にわかりやすい国会運営をやることから始める」と語った。

 一方、泉氏は8日、党の会合で「大変驚くし、あきれる。本当に品のない下劣の発言だ」と馬場氏の発言を批判。「維新がこれ以上、勢力を伸ばし野党第1党になったら、自民党の『御用野党』になる。自民党にとってもっとも便利な野党が誕生する」と応戦した。

 さらに、馬場氏が「岸田内閣は不信任にする事由がない」と発言すると、泉氏は9日の記者会見で、「たいへんがっかりな姿勢だ。戦うことを忘れた野党、御用野党の本領が、また発揮されているなという気がする」と批判。

 この批判合戦に、れいわ新選組の山本太郎代表も参戦。9日、自身のTwitterに、泉氏の発言を報じた記事のリンクをつけたうえで《「戦うことを忘れた野党」も「戦うふりをしている野党」も、悪質さでは同じようなものですね》 とツイートした。

 山本氏は、6月16日、千葉県松戸市で開いた会合で、野党共闘に問われ、こう答えた。

「立憲、共産、社民とか、れいわとか、共闘していくのは絶望的。野党第1党の立憲民主党が『勝手にやる』ということでバラバラになっている。これがひとつになっていくかといえば、たぶんならないだろう」

 さらに、山本氏は2021年秋の衆院選で、候補者を4割下げたことを明かしたうえで、れいわ独自で戦ったほうが議席を伸ばせると明言し、こう語った。