6/19(月) 13:30 日刊ゲンダイデジタル
https://news.yahoo.co.jp/articles/a2cef4f46cacb5d6c30d600a548af3b3215b3016

 自公与党に日本維新の会と国民民主党がスリ寄り、骨抜きになったLGBT理解増進法をめぐる波紋が広がっている。維新が参考人として参院に呼んだ当事者が笑いをかみ殺す様子が「インターネット審議中継」に長々と映り込んだ上、暴言をまき散らしているからだ。国会審議を愚弄し、マイノリティー権利擁護をズタズタにした連中が野党第1党になったら世も末だ。

ウィシュマさん虐待事件に大暴論…維新・梅村みずほ議員は「第二の杉田水脈」なのか?

 コトが起きたのは、法案採決を控えた15日の参院内閣委員会。参考人として出席した性的少数者のための法整備を目指す「LGBT法連合会」の神谷悠一事務局長が直面する問題などを説明する中、後ろの傍聴席に座る女性が始終ニタニタし、笑いをこらえていた。

 維新の高木かおり議員が招いた作家の森奈津子氏で、《爆笑寸前》《笑いをこらえきれない様子》《ずーっと薄ら笑いしてる》などと、ツイッターなどで話題になっていた。それを受けた森氏の釈明ツイートはこうだ。

《カメラに写っているとは思ってなかったのよ。共産党の議員さんが「かわいそうなLGBT」の話をして「うっ」と嗚咽を洩らしたところで、爆笑しそうになって、必死で我慢してワナワナ震えているのがバッチリ中継されてて……》

《これ、まるで私が百%ゲイ活動家氏の発言に笑いをこらえているようで、その点は申し訳ないです。爆笑スイッチを入れたのは、共産党の田村智子議員の「かわいそうなLGBT」演説と嗚咽です。ゲイ活動家氏の発言もトンチンカンだと感じましたが、私の中では彼のギャグ度が1なら田村議員は10ぐらいでした》

杉田水脈氏と同列扱いはヘイトスピーチ?
作家の森奈津子氏(C)日刊ゲンダイ

 異なる意見を排除し、嘲笑する人間を言論の府に呼ぶとは、さすが「維新クオリティー」。

 森氏は自身と自民の杉田水脈衆院議員を同列視したツイートに対し、《それはヘイトスピーチではありませんか?》とも噛みついている。杉田氏は「LGBTは生産性がない」などと寄稿した差別主義者で、衆院本会議の採決も欠席したが、ヘイト扱いはないだろう。

「森氏の一連の言動は神経を疑わざるを得ません。差別撤廃を求める当事者の人々を傷つけたのではないか。良識の府である参院に、最も良識とかけ離れた人物を呼んだ維新の責任は大きい。入管法改正をめぐり、『国益なくして人権もない』と言った鈴木宗男参院議員、根拠のない発言で故人を冒涜した梅村みずほ参院議員もしかり。政党として破綻しています」(高千穂大教授・五野井郁夫氏=国際政治学)

 維新はおよそ公党にふさわしくない。