選挙で自民党をコテンパンにしたのも今は昔。この国の最大野党は、空理空論を弄し、足の引っ張り合いに明け暮れるばかり。独りよがりの正義に酔うだけの政治家を、国民は「大人」とはみなさない。

前編記事『国民に見放された弱小政党・立憲民主党のヤバすぎる末路《選挙で党名を名乗らぬことを幹事長が推奨》《参院選で大敗しても誰も責任を取らない》』より続く。

欠けている党の道徳規範
まず、多くの議員や党職員、民主党OBらがそろって口にするのが「立憲の政治家は、義理と人情を知らない」という愚痴である。仲間であっても平気で裏切り、陥れようとして憚らない。

ある議員は「そうした体質が党の根幹を蝕んでいることが国民にも周知されたのが、'21年7月、党内の『性犯罪刑法改正ワーキングチーム』で不適切発言をしたとして、衆院議員の本多平直が離党・議員辞職に追い込まれた一件だ」と語る。

「この会合では(衆院議員で元総理大臣補佐官の)寺田学さんを座長として、刑法が定める『性交同意年齢』引き上げの是非を議論していました。そこで本多さんは、『刑罰の範囲を拡げることには常に慎重であるべきだ』という文脈で『極端な話、50代の自分と14歳の女子の恋愛は罰せられるのか』とたとえ話をした。

その場では引き上げ慎重派の本多さんが積極派の寺田さんらを論破する形になったが、寺田さんは悔しかったのか、その後の本多さんとの二人きりの会話の内容をもとにして、『本多議員は小児性犯罪を許容する価値観の持ち主だ』とする報告書をまとめたのです」

本多は大炎上して党を追われたが、その後「発言を寺田に捏造された」と反論。枝野ら一部の幹部が正規の党内手続きを経ずに処分を下そうとしたことに対しても、別の議員や支持者から「ガバナンスがおかしい」と批判が集まり、やがて党全体に延焼していった。

「木っ端集団」の乱立
先の議員が続ける。

「自民党ならあり得ない醜態です。立憲には仲間意識や、ゴタゴタを外に見せるのはみっともないという発想もない。国民に『何を考えているんだ』と思われるのも当然です。

こうした足の引っ張り合い、刺し合いには、表沙汰にならないものも多い。直近では、今国会で成立した改正入管法をめぐって激しい内ゲバがありました。参院国対委員長の斎藤嘉隆さんは『与党と取引できる余地を残すべきだ』と法務大臣への問責決議案を出すことに消極的だったのですが、蓮舫さんや辻元(清美・参院議員)さんは『何を弱腰になってるんだ、ガンガンやれ』と斎藤さんを突き上げた。

その直後、何者かが斎藤事務所に大量の文書を送り付けて、FAXがしばらく使えなくなったそうです。仮に身内の仕業だったとしたら、終わってる」

このような体質の組織が、ひとつの目的―つまり「政権を勝ち取る」という大目標に向けてまとまれるだろうか。

議員同士のいがみあいを生む土壌となっているのが、立憲特有の「グループ」の乱立と対立だ。

「衆参24人が所属する最大の『サンクチュアリ』は民主党時代から続く左派グループで、元社会党書記長の赤松広隆さんが創設した。幹部だと枝野さんや辻元さんらがいる。次は野田さんが代表を務める松下政経塾系の『花斉会』で、蓮舫さんはここ。菅(直人・元総理)さんの『国のかたち研究会』がその次だが、活動実態が乏しい。一応、この三つが主要グループだ。

他には泉代表が作った『新政権研究会』、非・旧民主党系若手議員の『直諫の会』や小沢一郎グループなど、1桁から20人の小集団がいくつもある」(立憲党本部関係者)