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会見する日本維新の会の馬場伸幸代表=6月1日午前、国会内(矢島康弘撮影)

次期衆院選で日本維新の会からの出馬を目指す他党出身者の動きが相次いでいる。すでに維新で公認を得た元議員もおり、候補者発掘のための「維新政治塾」の受講生も他党出身者が一定数を占めるという。ただ、安易な受け入れは党のイメージを悪化させかねず、執行部は人柄や政策思想を慎重に見極めて判断する構えだ。

「立憲民主党が今、ちょうど150人くらいの候補者がいる。まず(維新の)候補者数も150人を上回ることを目標にしたい」

維新の馬場伸幸代表は3日のインターネット番組でこう強調した。全289選挙区での擁立を原則とするが、候補者数は、少なくとも野党第一党を争う立民を超えたい考えだ。

維新はこれまで、次期衆院選に向けて91人の擁立を発表した。現職41人を除く50人のうち、すでに維新で出馬歴のある候補も含めれば、計9人が他党での国会議員経験者だ。最近では民進党で参院議員を務めたエコノミスト、金子洋一氏の神奈川20区への擁立が決まり、藤田文武幹事長は「即戦力だ」と期待を込めた。

候補者発掘のために6月から第7期を開講した「維新政治塾」でも、551人の受講生のうち「1、2割くらい」(藤田氏)が他党出身者という。維新幹部によると、前回衆院選では維新幹部への対抗馬だった立民出身者も含まれる。

さらに話題性のある移籍も取り沙汰される。自民党の河村建夫元官房長官の長男・建一氏は過去2回の国政選挙で自民から出馬したが、次期衆院選は維新からの出馬を目指す。6月に立民を離党した松原仁元拉致問題担当相も、馬場氏と親しい間柄から、将来的な維新入りの臆測が絶えない。

直近の複数の世論調査で、次期衆院選の比例代表の投票先で維新は立民を上回っている。落選時の「比例復活枠」が厚くなる維新が、魅力的な選択肢に映っているのは間違いない。

維新は他党出身者も「わが党のスタンスに共感し、骨をうずめてくれる確認ができた」(藤田氏)人物は選考対象としている。ただ、他党出身者が比例復活枠の上位を占めれば、その分、他の有望な新人の当選はおぼつかなくなる。党幹部は「こちらから引き抜くことまではしない」とも語る。(千葉倫之)

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