マイナンバーカード問題 国が見直す気がないなら国民が返納運動を起こすしかない

 マイナンバーカード返納の話を書いたらネットニュースになったりして反響が大きい。ネトウヨ民はこれを矮小化しようと必死で「批判してたのに持ってたのが草」「ポイントは貰ったんだろう」とうるさい。これにはTwitterでも反論したが、私が加入したのは一番最初。コンビニで住民票が取れて便利だと思ったからだ(この時点でうさんくさいと思う先見の明はなかった)。当時はポイントなどない頃で、そもそもポイントなどに興味がないので後からもらってもいない。

 ところが保険証や銀行口座をひも付けすると言い出し、果ては紙の保険証を廃止して、任意のはずなのに事実上の強制に転換した河野大臣の強引さに危機感を覚えてからは私も批判を始めた。

 今更カードを廃止できないので、これ以上加入するのはやめよう、持っている人は返納しよう、と呼びかけて抗議運動「返納一揆」に参加したわけだ。定例会見で松野官房長官に記者が「最近の返納数」を聞いたが、全く答えなかった。これはかなり多いのではないか。

 そこにもってきて不具合が続出。おそらく政府はかなり危機感を覚えているのだろう。慌ててNHK「日曜討論」に河野大臣が出演した。「マイナカードの問題点を考える」という趣旨だったが、いつものような野党議員はおらず、御用コメンテーターで固めて利点ばかり強調する、まるで政府広報番組。天下のNHKもここまで落ちたか。「討論」はどこに行ったのだ。

■雑な反論に辟易

 さらに、いつもの政権擁護タレントさんたちもやたら反応してくる。頭に「ホ」と「ほ」のつくおふたりも、私に噛みついてきたが、その反論がもう「雑」で「大ざっぱ」。どう見ても私のツイートもこのコラムもちゃんと読んでない。しかも結論が「カードないと不便でしょ」「デジタル化はしなきゃならない」とこちらも政府広報誌にあるような話。

 こちとらあえて不便を選択して闘ってるんだよ。デジタル化するのはいいんだよ。だけどちゃんとシステム構築してからやってくれ。日本のデジタル庁なんて超アナログの極みじゃないか。オードリー・タンがいる台湾のように、性別、経験にかかわらず人材を起用しろ。天下り官僚の姥捨山みたいな部署ばかりつくるから、新しいことが全く発展しないのだ。

 今政府はビビってる。せめて紙の保険証廃止はやめさせようではないか。

(ラサール石井/タレント)

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