大阪市は21日、2022年度の一般会計決算見込み（速報版）を公表した。歳入から歳出と翌年度に繰り越す事業の財源を差し引いた実質収支は258億円で34年連続の黒字となった。企業収益の増加などが影響して、市税収入は過去最高の7859億円となった。

　歳入は1兆9439億円で前年度比3・2%（652億円）の減少。国庫支出金は、新型コロナや物価高騰対応の経費が減った影響で、同7・4%（444億円）減の5531億円となった。また、国からの地方交付税・臨時財政対策債も626億円で同55・2%（771億円）減った。

　一方、市税収入は前年度と比べて359億円増えた。個人所得や事業所得の増加で、個人市民税と法人市民税が計213億円の増加。固定資産税・都市計画税もコロナ関連の中小企業への税軽減措置が終了した影響などで124億円増えた。

　歳出は1兆9128億円で前年度比2・8%（554億円）減った。行政施策経費が3359億円と同15・1%（596億円）減ったことが影響した。経費の多くを占めたのが、コロナと物価高騰対策費（計1305億円）だった。

　市の貯金にあたる財政調整基金の残高は、22年度末時点で2452億円となり、12年度に創設して以来過去最高となった。（原田達矢）

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