最上地域でいま、サルによる農作物被害が拡大している。特に深刻なのが、数百頭が群れを成す戸沢村。稲穂まで食い荒らすサル。住民は作物をつくる楽しみと生きがいを奪われている。

(住民)
「こらっ!」

戸沢村の休耕田に…、最上町では線路の上に…。そして舟形町では庭先に実ったブルーベリーが食い荒らされた。

(住民)
「おらっ! こらこらーっ!」

特に被害が深刻なのが戸沢村角川の平根地区。昼夜を問わず群れで行動し、ジャガイモやカボチャ・ナス・キュウリなどあらゆる野菜を食い尽くし、ジャガイモは土から掘り起こして食べたり、種イモを持ち去ったりするという。

(平根地区住民・田中智史さん)
「サルがかじった歯の跡。こんなに小さいジャガイモなのに…収穫の見込みなし。集団で襲ってくる。何百頭と入ってくる」

平根地区の被害は約10年前から。野菜だけでなく田んぼの稲穂も被害に遭っている。

(平根地区会長・田中廣勝さん)
「賢い。大声を上げても驚かない」

(隣の地区会長・早坂孝一さん)
「その時だけ。草むらにちょっと隠れてまたすぐ出てくる」

通常サルの群れは、何グループかに分かれて数を維持しているが、駆除されるなどして均衡が崩れると、分裂を繰り返して逆に数が増えるという。

(田中廣勝さん)
「100頭・200頭できかない」

(早坂孝一さん)
「3団体~4団体の群れがいる」

もちろん猟友会が監視の目を光らせ、住民も畑に電気柵やネットを張りめぐらせるなど自衛策を講じているが…。

(田中智史さん)
「集団で来るので、みんなでゆすって網を壊す。爪も歯も鋭い。網を引きちぎって食いちぎって中に入ってくる」

村から支給された爆竹やロケット花火での追い払いにも、サルはすぐに慣れ効果を上げていない。

(早坂孝一さん)
「もう何も作っていない。作っても全部やられるからもう何も作らない」

(田中廣勝さん)
「年寄りはみんな年金暮らし。野菜づくりを楽しみでしている。生きがいを奪われている」

これからブドウやモモ、秋にはクリや柿などが収穫時期を迎える。被害がこれ以上拡大しないために、対策が急がれる。

今のところ人が襲われるなどの被害はないそうだが、屋根に上ったり庭先に侵入したりするサルの数は増えているということで、地区の人たちは有効な対策を早く講じてほしいと話している。

https://www.fnn.jp/articles/SAY/562700