日本維新の会の馬場代表が立憲民主党や共産党への挑発を繰り返し、野党間の批判の応酬を招いている。立民、共産両党は発言の撤回を求めて猛反発しており、野党の対立は泥仕合の様相を呈している。

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 馬場氏は26日、東京都内で記者団に対し、共産について「破壊活動防止法による調査対象で、政府は危険な政党とみている」としたほか、立民のことも「真剣に政治に取り組んでいるとは見えない」と批判した。

 発端は23日のインターネット番組での馬場氏の発言だ。この時も馬場氏は、「立民がいても日本は何も良くならない」「(共産は)日本からなくなったらいい」などと述べた。

 共産の小池書記局長は26日、国会内の維新控室を訪れ、馬場氏の発言について「民主主義を 蹂躙じゅうりん するもので到底許すことはできない」とする抗議文を提出。その後の記者会見で、破防法を巡る発言にも「全く的外れな攻撃だ」と反論した。立民の岡田幹事長も25日の記者会見で、「公党のトップとして度が過ぎている。民主主義の最も基本のところを分かっていない」として撤回を求めた。

 ただ、馬場氏は26日に「政治家として信念、理念を持って発言している」として、謝罪や撤回には応じない考えを示した。維新は、次期衆院選で野党第1党の奪取を目標としている。馬場氏には、立民や共産との対決姿勢を強調する狙いがあるとみられるが、立民幹部は「あまりに過激な発言は、立民や共産を支持する有権者の否定にもつながる」と眉をひそめる。

 そろって維新に反発する立民と共産も、次期衆院選の選挙協力を巡っては思惑のズレから関係が微妙になっており、与党からは「野党がバラバラのまま選挙になれば助かる」(自民幹部)との声も漏れている。

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