飛行機の出発が遅れることはよくあることですが、先日ドバイで起きたフライト遅延の理由は実に驚くべきことでした。それがクマの脱走です。

クマの脱走が起きたのは、イラク航空の飛行機。同国の首都・バグダッドを飛び立ち、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ国際空港に着陸した飛行機は、機体整備などが行われた後、再びドバイからバグダッドに向けて出発する予定でしたが、出発が遅れてしまいます。

そして、イラク航空はその理由について「飛行機の貨物室からクマが逃げ出した」と説明。どうやら、ドバイ国際空港に到着したとき、輸送されていたクマが輸送用の檻から脱走をはかったよう。そして、イラク航空はUAE当局と連携し、専門の係員を派遣する事態に発展しました。

結局、鎮静剤を使ってクマを捕獲したようです。イラク航空は、クマは国際航空運送協会(IATA)が認めた基準に従って輸送されたと発表。飛行機については、機内点検を行ってクマによるダメージが及んでいないことを確認してから、バグダッドに引き返したといいます。しかし、同航空会社はクマがイラクからUAEに輸送された理由や、クマの状態について明らかにしていません。

ただし、クマのように危険な動物が脱走できてしまうと、人間にまで被害を及ぼすことになりかねないため、イラクの首相がこの一件について調査するよう命じる事態になっています。

過去には、小型飛行機が緊急着陸時にヒツジに衝突したり、ある家族が引っ越しのために飼い犬を英・ロンドンから米国に運んだ際、その犬がなぜかサウジアラビアまで運ばれたり、動物の輸送にはハプニングが起きるときもあります。しかし、動物にとってみれば、檻に入れられて飛行機で運ばれることは、きっと訳がわからない時間のはず。人間が想像する以上に大きなストレスが動物にはかかっているのかもしれません。

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