フランスの少子化対策や子育て支援を研修するため、7月下旬にパリを訪問した自民党女性局が大炎上している。

【画像】松川るい議員がSNSに投稿した、パリ・エッフェル塔前でポーズを取る写真
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女性局長の松川るい参院議員らが、エッフェル塔の前でおどけたポーズで撮影した写真をSNSにアップし、次長の広瀬めぐみ参院議員も、宿泊先のホテルや料理の写真を投稿して批判を浴びたのだ。

女性局の5年ぶりの海外視察には、党職員や議員秘書を含めて38人が参加した。政治家が、海外の制度を学ぶことは悪いことではない。「国民のための政策立案の参考にする」という使命が存在する。

彼女らも研修目的を理解しているはず。写真の投稿も、軽い冗談のつもりかもしれないが、それが炎上したのはなぜか。

国会議員は主権者である国民の信託を受け、全国民を代表して法律の立案や、国会の審議に当たる。

国民と議員の間には、「この人なら国家や国民のために仕事をしてくれる」という信頼∞共感≠ェなければならない。

今回、それらが欠如していたのではなかったか。

松川氏が所属する自民党大阪府連には多数の抗議が寄せられた。党枚方市支部は、松川氏に参院選挙区支部長の辞任を要求した。かつて松川氏の選挙事務長を務めて身内≠ニもいえた花谷充愉元府議は「議員辞職」を求め、SNSで辛辣(しんらつ)な批判を加えた。

興味深いのは、松川氏や広瀬氏、そして今井絵理子氏ら写真騒動で炎上したのは2022年の参院選当選組であることだ。参院任期は6年だ。「これから5年間は少々の問題があっても議員の身分は安泰」との油断があったのか。

国民の期待から外れることはもちろんだが、昨年の参院選で72万5243票を得て当選し、衆院へのグレードアップ≠狙っていたとされる松川氏には、地元関係者からの不満が大きい。

そもそも、参院選では、有名タレントでもなければ自分の「人気」で当選することは、まず不可能だ。ひたすら所属政党のネームバリューと、小選挙区を単位に構成される支援者たちの「汗」と「涙」に支えられた地元活動がものを言うのだ。

自民党大阪府連はこの問題を議論するために、まず「総務委員会連絡会」の開催を決定した。さらに一部幹部に限定した「役員会」を開くことにしたが、すぐに中止した。

松川氏に批判が集中することが予想されたため、党本部が開催中止を促したと噂されている。

だが、「ガス抜き」や「総括」の機会を逃した意味は小さくない。これでは、国民の「共感」を得ることは困難だろう。日本維新の会の躍進に直面する自民党が進む道のりは、ひたすら険しい。 

8/17(木) 17:00 夕刊フジ
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