東京電力福島第一原子力発電所の処理水の海洋放出について、東電は1日、8月31日に採取した海水の放射性物質トリチウム(三重水素)濃度が、1リットル当たり10ベクレルだったと発表した。処理水由来とみられるトリチウムが検出されたのは、同24日の放出開始後初めて。

https://image.yomidr.yomiuri.co.jp/wp-content/uploads/2023/09/20230901-249-OYT1I50131-N.jpg
東京電力福島第一原子力発電所(8月24日、読売ヘリから)

 トリチウムが検出されたのは、同原発沖合1キロにある海底トンネルの放出口から、北に約200メートル離れた地点の海水。東電が測定する10地点の中では最も放出口に近い。検出値は、世界保健機関(WHO)が定めた飲料水基準(同1万ベクレル)と比べてはるかに低いレベルで、環境や健康への影響はないという。他の9地点は検出限界値(同8ベクレル程度)を下回っていた。

https://image.yomidr.yomiuri.co.jp/wp-content/uploads/2023/09/20230901-249-OYT1I50133-N.jpg

 一方、水産庁と環境省、福島県が1日に公表した、同原発周辺海域で採取したヒラメや海水のトリチウム濃度は、すべて検出限界値を下回った。

https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20230901-OYT1T50188/