2個のミートボールに絡まりあうスパゲッティ、カタツムリのように突き出した二つの目玉――このヘンなモンスターを「創造主」とする宗教がある。当の教会によれば、アメリカを中心に「信者は1000万人を超える」というのだ。その拡大の背景では、いったい、何が起こっているのか。

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ゆるゆるの道徳規範、天国には「ビールの火山」
このおかしな「宗教」は、「空飛ぶスパゲッティ・モンスター教会」、略して「スパモン教」という。アメリカ・オレゴン州出身のボビー・ヘンダーソン(1980~)によって創設され、2005年に初めてその創造主・空飛ぶスパゲッティ・モンスター(Flying Spaghetti Monster)の存在が明らかにされた。

まずは、講談社選書メチエの新刊『創造論者vs.無神論者 宗教と科学の百年戦争』(岡本亮輔著)から、彼らの主張するところを見ていこう。

スパモン教の『ヌードル聖書』によれば、スパモンは5日間で宇宙を創造した。そして5日目の夜、自分が創りあげた世界に満足したスパモンはビールを飲みすぎ、ベッドから落ちて空に叩きつけられ、ビッグバンが生じた。この創世神話にちなみ、スパモン教では毎週金曜日が休日とされる。

つづき
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