【ニューヨーク=小林泰裕】米航空防衛大手RTX(旧レイセオン・テクノロジーズ)は、欧州エアバス機向けエンジンに不具合が見つかり、大規模点検を行うと発表した。米メディアによると、点検のため2026年まで年平均約350機のエアバス機が運航停止になる可能性がある。

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成田空港(読売ヘリから、2020年4月撮影)

 対象となるのは傘下のプラット・アンド・ホイットニー社製の航空機エンジン600~700基で、エアバス製「A320neo」に搭載されている。欧米メディアによると、部品に亀裂が生じる恐れがあるという。23年7~9月期に約30億ドル(約4400億円)の関連費用を計上する。

 日本への影響も懸念される。ANAホールディングスは運航する機体の1割強にあたる33機が点検の対象になると明らかにし、当面の運航に影響はないと説明している。日本航空には対象の機体はないという。

 同エンジンの開発に参画するIHIは業績に影響が出るとの見通しを発表した。影響額は算定でき次第、公表するとしている。

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