2025年大阪・関西万博で、海外パビリオンの建設準備が遅れている問題を巡り、運営主体の日本国際博覧会協会(万博協会)は29日、自前でパビリオンを建設する「タイプA」を予定していた60か国のうち20か国が工事業者を確保したと発表した。1か月前の13から7増加したが、万博協会が建設を代行する1か国を除き、なお39か国が決まっていない。


海外パビリオンの種類

 万博協会の十倉雅和会長(経団連会長)と石毛博行事務総長が、東京都内で開いた記者会見で明らかにした。

 タイプAのパビリオンを巡っては、資材費の高騰や人手不足の影響で工事業者探しが難航している。建設工事を加速するため、万博協会は8月中旬、参加国に対し、万博協会が代わりに建設する簡易なパビリオン「タイプX」への移行を提案した。

 石毛氏は記者会見で、タイプXへの移行を決めたのは1か国と説明。関係者によると、アフリカ南部のアンゴラだという。今月6日時点から増えておらず、タイプXに関心を持つ国も10か国程度にとどまる。タイプXの着工は年内か来年1月を予定しており、「参加国には、一日でも早く移行するかどうか決めてほしいと伝えている」(協会幹部)という。

                      ◇

 万博協会は29日、モデルでタレントのトラウデン直美さんと、関西経済連合会副会長の沢田拓子・塩野義製薬副会長の2人を新たに理事に選任したと発表した。

建設費増額…経済界の負担分「何とか集められる」協会会長
記者会見する万博協会の十倉雅和会長(29日午後、東京都千代田区で)

 万博協会の十倉雅和会長は29日の記者会見で、万博の会場建設費について「相当程度の額が積み増されると思う」との見方を示した上で、経済界の負担分は「何とか集められるのではないか」と述べた。

 会場建設費は国と大阪府・大阪市、経済界の3者が3分の1ずつ負担する。万博協会は当初、1250億円と想定していたが、資材費の高騰などを理由に2020年12月に1850億円に引き上げた。その後も資材費や人件費の上昇が続いており、450億円積み増して2300億円程度に引き上げる方向で政府と調整している。この場合、3者の負担は150億円ずつ増える。

 十倉氏は「(引き上げを)見通せなかったのは申し訳ないが、不可抗力みたいなところが随分ある」と釈明した。増額後の具体的な金額には言及しなかった。


9/30(土) 12:07配信   読売新聞オンライン
https://news.yahoo.co.jp/articles/aef940fe474b5a3dd66666c21c4a11cc04a80a72