【ソウル=甲原潤之介】韓国外務省は14日、イスラエルから韓国人を退避させるために運航した韓国軍の輸送機に日本人51人が同乗したと発表した。座席に余裕があったため日本側に人道支援を提案し、協力が実現した。14日夜に韓国に着く予定としている。

韓国軍は13日、イスラエルとハマスの武力衝突の深刻化を踏まえ、輸送機をイスラエルに派遣する方針を決めた。同日中にイスラエルのテルアビブに到着し、翌14日未明に韓国に向けて出発した。

韓国の長期滞在者81人と短期旅行者82人に加え、日本人51人とシンガポール人6人が搭乗した。韓国の外務省職員や国防省の医療チームが同行した。

在イスラエル日本大使館が13日、早期出国を希望する場合は韓国政府が手配した特別便を利用するよう呼びかけていた。

韓国外務省によると、ガザ地区に対する軍事作戦が差し迫っている状況を考慮し、最も迅速に投入できる航空機を検討して軍用機の派遣を決めた。国内航空会社の運航が中断され、韓国国民の帰国支援が必要と判断した。特に短期滞在者が退避のための航空券の取得に困っていたという。

韓国軍は2021年8月、アフガニスタンの首都カブールが陥落した際にも軍による輸送作戦を展開した。韓国の協力者や家族らおよそ390人を韓国に安全に輸送した。今年4月にスーダンから韓国人28人を退避させた際には日本人数人の退避を支援した。



2023年10月14日 11:27  日経新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM140JE0U3A011C2000000/?n_cid=SNSTW006&n_tw=1697251308