韓国で行われた旧統一教会の集会に韓鶴子総裁が姿を現しました。教団への解散命令請求をどう受け止めたのか。取材を進めると教団幹部も初めて目にしたという総裁の姿が浮んできました。

■「恐ろしい虎」韓総裁が“初めて見せた”表情

「大きな感謝の拍手で真のお母さまをお迎えしましょう」
15日、午前中にライブ配信された映像。教団トップ・韓鶴子総裁が現れたのは、今月初めに行ったというアメリカ訪問の成果を報告する集会でした。
(世界平和統一家庭連合 韓鶴子総裁)「10月は刈入れの季節、収穫の季節。まさに今日が、穀物を収穫する時なのです」
約20分間のスピーチで解散命令の請求については一言も触れず…集会を万歳で締めくくった韓総裁。日本の教団に対する解散命令請求をどう見ているのでしょうか?

「天地人 真の父母様に敬拝!」
これは解散命令が請求されたおととい夜に配信された「特別徹夜祈祷」の映像です。登壇したのは、日本の教団を指導する立場とされる方相逸神日本大陸会長。
(方相逸 神日本大陸会長)「日本のために身と心を尽くし全力を投入して祈ってくださったのに、日本(教団)の力が不十分だったせいで昨日から今日にかけて宗教解散請求という青天の霹靂のような、世界中の統一家庭が言葉では表せないほどの衝撃を受けると思うと言葉が出ません」
解散請求を止めるため、毎晩徹夜で祈ってきたという信者たち。韓鶴子総裁が「(日本の)宗教審議会委員と裁判所判事の名前を1000回ずつ唱え、霊的な力で教団を支持するようにしなさい」と幹部に指示したという関係者もいます。
(方相逸 神日本大陸会長)「お母様をお訪ねすると、今まで見たことのない、興奮した姿を初めて目にしました。ある意味では最も恐ろしい虎のように見えましたし、お母様のあの様子を目にして、まさに死に値する罪を犯しているような、重荷を担いでいる気持ちになり、どうして良いかわからない時間を過ごしました」
関係者によれば、韓総裁は今月初め、訪問したラスベガスで楽観的な報告を日本の指導部から受け、悠々自適に過ごしていましたが、帰国後に解散請求の知らせを聞いて衝撃を受けたといいます。集会では、「苦しみを克服するための歌」が歌われました。

■「人権侵害許せない」自民重鎮の怒り

日本国内でも解散命令の請求に憤っている人がいます。
(元自民党栃木県連幹事長 増渕賢一氏(77))「信者さんたちの人権を侵害することを平気で自民党のトップがやっているということが許せないのよ」
栃木県で県議会議員を9期務めた増渕賢一氏。議長や自民党県連幹事長などを歴任した地元保守政界の重鎮です。
(増渕賢一氏)「倉庫に入れっぱなしでほこりだらけだよ」
Q. これが統一教会から買った壺?
「そうそう、なかなか良いもんだろ」
30万円の壺を値切って3万円で買ったそうです。
(増渕賢一氏)「信者ではないよ、俺は敬虔な仏教徒だもん。俺は“勝共連合”を高く評価しているから、勝共連合はもっと今でも活動を活発にすべきだと思う」
国際勝共連合は、1968年に文鮮明氏が立ち上げた反共産主義を掲げる保守系の政治団体。実は増渕氏は自民党県議の傍ら、教団の友好団体である国際勝共連合栃木県本部の幹事長も務めていました。“反共産主義“という同じ思想のもと、増渕氏はおよそ50年前から選挙協力を受けてきたといいます。