2025年大阪・関西万博のボランティアについて、日本国際博覧会協会(万博協会)と大阪府・市は20日、募集を来年1月中旬に始めると発表した。大阪の吉村府知事は会見で「世界各国の人と直接触れ合って、サポートしたい人に参加して欲しい」と呼びかけたが、万博は国内だけでなく海外の反応もイマイチなのが実態だ。


 万博協会は日本語の公式X(旧ツイッター)アカウントのほか、英語版(Expo 2025 Osaka Kansai)も運用している。日本語版のフォロワーが6.9万人いる一方、英語版はわずか8453人。英語で〈フォローしてね〉と呼びかけているのが物悲しい。

 ただ、決して協会が英語での投稿をサボっているわけではない。むしろ、ほぼ毎日、熱心に万博関連の話題を提供しようと奮闘している。

 その努力は涙ぐましい。海外で人気の高いポケモンのキャラクターを使い、〈スペシャルサポーターのポケモンも大阪・関西万博が開幕まで500日を切ってワックワクだぜ!〉と繰り返し英語で投稿。しかし、どれもこれも再生数は1万回に達していない。投稿に対するコメントも軒並み1ケタで、関心を集めている様子は皆無。もちろん、ポケモンに罪はまったくない。

「日本のノスタルジックな情熱は…」
その努力は涙ぐましいが(「Expo2025 大阪・関西万博」のXから)

 海外が注目しているのは、大阪万博の展示や意義よりも成否だ。英紙フィナンシャル・タイムズは、〈今の時代、万博の意味とは何か?〉と題した記事(11月16日)で〈日本開催に向けた準備の混沌ぶりは、万博が世界秩序の過去の遺物であることを示唆している〉と指摘し、こう書いている。

〈ヨーロッパのある国は、日本最大手の建設業者から『お望み通りのパビリオンは確実に建てられるが、完成は万博閉幕後から1カ月後になる』と言われたという〉

 主催国の無責任ぶりを表す残念なエピソードを紹介しつつ、皮肉交じりにこうつづっている。

〈この種のイベントにかける日本のノスタルジックな情熱は、過小評価されるべきではないし、見ていてハラハラする楽しさがある〉

 もはやネタにされている感があるが、吉村知事は万博について「日本の最大のチャンスだ」と訴えてめげない。ただでさえ、国民の約8割が「チケットを購入しない」と表明している状況だ。

 いい加減、税金やポケモンのムダ遣いはやめて欲しい。


12/21(木) 13:55配信 日刊ゲンダイDIGITAL
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