令和6年初日に発生した石川・能登半島地震。元日の雰囲気を突如襲った最大震度7の揺れは、住み慣れた住宅や街並みを破壊し、命を奪った。これまで「地震予知はできない」と言われながらも、新たな手法で地震の発生予測に果敢に取り組む学者がいる。我々は、京都大学の西村卓也教授(当時は准教授)の研究の最前線を2022年に取材した。

[画像を見る] 南海トラフで『ひずむ日本列島』4年前、能登半島の謎の地殻変動をGPS予測が察知していた
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/gallery/927295?display=1

 西村氏は当時、能登半島で3cmほどが隆起している、前例のない「謎の地殻変動」を観測していた。また「地震の巣」とされる活断層が集中している近畿地方には、南海トラフに押されて”ひずみ”がたまっているという。大地震の足音が迫っている。

『GPSの位置情報』利用し地震発生を予測
西村卓也准教授は、新たな手法で地震の発生を予測する研究を進めている。

(京都大学・防災研究所 西村卓也准教授)「GPSのデータを使って、地面が精密にどう動いているのかを調べます。それで地殻変動の様子がわかるのですが、地殻変動から地下で起こっている地震のメカニズムや、断層でどのように『ひずみ』がたまっているのかというようなことを調べています」

 GPSはスマートフォンや車のナビゲーションなどにも利用されていて、人工衛星からの信号で位置情報が分かるシステムだ。西村准教授はミリ単位で正確に位置情報を調査できることに注目した。

私たちの住む日本列島は、「フィリピン海プレート」や「太平洋プレート」など4枚のプレートの上にあり、海側から常に押される力がかかり地盤にひずみがたまっている。そして、そのひずみに地盤が耐えきれなくなると地震を起こすのだ。

国はこうした地盤の動きを監視するために、全国約1300か所に「電子基準点」と呼ばれるGPSアンテナなどを装備した機器を設置した。西村准教授はGPSの位置情報を利用することで地盤の動きをとらえ、地震発生の研究に役立てようとしているのだ。

(京都大学・防災研究所 西村卓也准教授)「各観測点の位置が1年あたりにどれだけ動いているのか、を示した図です。」

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1/6(土) 7:30配信 MBSニュース
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