一体、どういうメンタリティーなのか。

 能登半島地震の対応をテーマに24日、衆参両院で予算委員会の閉会中審査が行われた。「被災者の立場に立って再建に全力で取り組む」と、当たり前にやるべきことを強調する“岸田節”は相変わらず。岸田首相は野党議員の質問に薄ら笑いを浮かべる場面もあったから驚いてしまう。

岸田首相の能登視察は90分以下…あまりの“駆け足”に被災者冷ややか、寄り添う姿勢見えず
https://www.nikkan-gendai.com/articles/image/life/334696/240348

「29年前の阪神・淡路大震災と(避難所の)状況が変わっていないことを深刻に受け止めるべきだ」

 参院予算委で立憲民主党の杉尾秀哉議員から問われると、岸田首相は「避難所の衛生環境の維持・向上のための物資等を『プッシュ型』で届けるよう指示をしたところであります」と主張。その直後、何がオカシイのか「29年前と変わっていないというお話もありましたが」とニヤニヤし、こう続けた。

「現地に行きますと、さまざまなスタートアップ(企業)が水循環を利用したシャワーですとか、あるいは手洗い機器ですとか、こういったさまざまな機器を持ち込み、それが活用されている。2人分の水で100人分のシャワーを賄う、こうした水循環装置を合わせたシャワー等が活用されるなど、環境改善にさまざまな工夫が加わっていることも指摘しておきたいと思います」

 国がどのように避難所の環境改善を図るのかを問われているのに、民間と自治体が主導した循環型シャワーの活用という先進事例をさも自分の手柄のように答弁。90分にも満たない現地視察で避難所の劣悪な環境を理解した気になっている姿勢といい、「さまざま」の多用といい、どうにかならないのか。

従来から水とトイレが課題

 石川県内ではいまだ約1万5000人が避難生活を強いられ、体育館での雑魚寝やトイレ問題に悩まされている。杉尾氏が改めて言う。

「過去の災害時も避難所の水とトイレをどうするかが問題でした。今回も避難所の劣悪さが指摘されており、私がお邪魔した避難所は『トイレ使用禁止』でした。1台2500万円とされるトイレトレーラーが注目を浴びていますが、導入済みの自治体は全国で20程度といいます。国防予算に5年で43兆円も出すのだから、その気になれば、国が全額補助を出して各市町村に1台は用意できるはずです。被災者への支援物資がどこに集まっているのかなど、情報共有のシステム構築も進めなければなりません」

 岸田首相はコトあるごとに「全力で取り組む」と口にする。いい加減、自分の言葉に責任を持つべきだ。


1/25(木) 13:55配信 日刊ゲンダイDIGITAL
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