立憲民主党は、自民党派閥の政治資金規正法違反事件に関係した同党議員の地元で街頭演説する「裏金一掃行脚」を始めた。次期衆院選を見据え、「政治とカネ」を巡る問題で有権者の批判をさらに高め、党勢拡大にもつなげる狙いがある。

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街頭演説する立憲民主党の泉代表(30日、埼玉県所沢市で)

 泉代表は30日、埼玉県所沢市の駅前で「自民党の処分に任せず、国民が裏金議員を処分しよう」と訴えた。政治資金収支報告書に不記載があった自民の柴山昌彦・元文部科学相の地元でマイクを握ることで、次期衆院選での議席奪取を意識した。

 岡田幹事長もこの日、安倍派元幹部の松野博一・前官房長官の地元である千葉市緑区で街頭演説に臨んだ。

 立民はこの行脚を29日にスタートさせた。泉氏は同日、安倍派で中枢を担った下村博文・元文科相と萩生田光一・前政調会長の地元に入り、政治改革に取り組む姿勢もアピールした。

 次期衆院選で政権交代を果たすには、野党候補の一本化が不可欠だとの指摘も少なくない。ただ、野党間の候補者調整は進んでいないのが実情で、立民ベテランは「自民を追及するだけでは政権交代の機運は高まらない。一本化作業を急ぐ必要がある」と指摘した。

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