0001きつねうどん ★
2024/05/19(日) 14:04:51.61ID:a0pWa/Mk太陽系外惑星の表面を歩く宇宙飛行士の想像図(Getty Images)
ハリウッド映画では人類に敵対したり脅威を及ぼしたりする悪役として登場することが多いため、海生生物のタコも架空の地球外生命体のタコも、多くの映画ファンを恐怖で震え上がらせてきた。その鋭い目は別として、タコの脳や姿形はどの生物種にも劣らないほど人類とは異なっている。
だが、地球上に人類が誕生する何億年も前に進化したのだから、タコの研究は、知的生命体に至る別経路を解明する試みにおいて本質的に有用なのだ。また、地球人がゆくゆくは地球外文明探査で遭遇する可能性のあるこの種の知的異星人を理解する上でも役立つはずだ。
しかしながら、タコは自身の不利に働く要素を複数持っているため、地球人が将来、タコ型宇宙人に遭遇する確率は極めて低くい。ここでは、その理由を5つ挙げて解説する。
1. 銅を豊富に含む血液を持つ
米ワシントン大学の古生物学者で作家のピーター・ウォードは電話取材に応じ、タコの大きな失敗は銅をベースとする血液を持っていることだと語った。人間の血液のような鉄ベースの血液ほど酸素を保持できないからだと、ウォードは説明する。タコは非常に大きな脳を持っているので、常に酸素欠乏の危機にさらされている。大きな脳を支えるのに十分な量の酸素が得られないため、タコの脳はこれ以上大きくなれないのだという。
なぜタコは、鉄ではなく銅を利用する方向に進んだのだろうか。
鉄も使えたが、生理学的には銅を使う方が有利だと判明したからだと、ウォードは指摘する。これは、鉄の生物利用可能性(どれだけ生物体内に取り込まれやすい形態で存在するかの指標)とは無関係だった可能性があるという。そうではなく、どのようなタンパク質が利用可能だったかと、生理機能がすでにどのように働いていたかに全面的に基づいている可能性があると、ウォードは述べている。
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ヒョウモンダコ(Kris Mikael Krister/Unsplash, CC BY)
今日知られているタコが、約5億年前に巻き貝に似た単純な生物から進化を始めたとは想像もつかないだろう。
だが、ここが問題なのだ。
頭足類は共食いをする傾向がある。
ウォードによると、非常に食欲旺盛な肉食動物で、自身と同種の小型の個体に出くわしたら、すぐに捕食してしまう。だが、タコの主食は甲殻類だ。
このような生物が社会を構築することはほとんどないと、ウォードは述べた。
2. タコの寿命は驚くほど短い
ウォードによると、タコの種の平均寿命はわずか3年で、平均余命は2年しかない。また、タコの成長速度は、現在知られているほぼ全ての動物の中で最も速いという。
だが、タコは個体の寿命が短すぎて、知性を十分に発達させることができない。
それでも、タコが属する頭足類は、他のどの無脊椎動物よりもはるかに大きな神経系を持っていると、科学哲学者のピーター・ゴッドフリー・スミスは、2017年の著作『Other Minds(邦題:タコの心身問題)』に記している。広く分布している8本腕のマダコは、体内に約5億個の神経細胞があり、イヌの神経細胞数に近いと、ゴッドフリー・スミスは記している。
ウォードは、2歳児と同じくタコは人生経験を積んでいないとして、この年齢の人間を指して、果たして「知的」と言えるだろうかと問いかける。確かに言葉を話し始めるが、どんな2歳児が電波望遠鏡や宇宙船を建造できるのか。タコは生来の知能を実際に利用するための十分な経験を積めるほど長生きしない。これは自然界における最大の悲劇の1つだと、ウォードは述べている。