演出家インタビュー
https://news.yahoo.co.jp/articles/35c92d4fbc444317d5dfbbdc95649442b03705a5?page=2

――ワンカメショーによるダンスパフォーマンスでは、NHKの中継でゲストだった櫻井翔さんが、「みんな、チョーかっこいい」と感嘆の声を上げていました。

「NHKの中継は後から見ましたけど、ありがたかったし、うれしかったです。実はショーが始まる前からインカムで演者に『みんなが主役だからね。ありのまま、キラキラしている姿を見せていきましょう』と伝えていました。正直、準備時間が多くない中で、途中から『有名人を入れるのを止めよう』と舵を切りました。シシド・カフカさんについては、1人を際立たせる役割ではなく、手話のようなハンドサインで誰もが即興で音楽を奏でることができるプロジェクト『el tempo』のコンダクターの一員として入っていただきました」

中略

――ダンスの未経験者に「振り」を入れていくのは、大変だったのでは。

「これも櫻井さんも話されていましたが、知的障がいの人は、振りをつけるとなかなか踊れません。でも、『自由に踊って』と言うと、とてもすてきな踊りをする。そこで、振付家による逆転の発想で、彼らが自由な発想で踊ったものからインスピレーションを受けて、その踊りをみんなに伝えていく手法を取りました。ワンカメショーも振付家、チームと話し合う中で決まりました。カットで割っていくと、どうしても作られた世界を見せられている感じがするので、ワンカメでずっと見せていく方がいいという考え方です。そして、ファッション、スタイル、踊り、みんなバラバラなんだけど、見ていくうちに『これでいいじゃん』『どれもいいじゃん』と、能動的に感じてもらえたらという思いがありました」

中略

――櫻井さんも「見ていて笑顔になる」と言っていました。共感する人も多かったと思います。

「ありがたいです。僕は『楽しく生きる』ことが、一番大事だと思っています。自分が置かれた立場がどうであれ、自分が楽しければ、この世界は楽しいわけです。伝えたかったことは、『こんな世界になったらいいね! ではなく、見方を変えれば、すでにこんなすてきな世界はあるんだよ』で、それが無意識の中に伝わればいいなと思っていました」