そして羽生にとって、五輪での勝利のためにもう一つ絶対に必要な存在がある。

「母の由美さんです。国内外の試合に必ず帯同してきた。羽生はパンがダメで、海外でも米の食事が必須。由美さんは海外でもご飯を炊いて、おにぎりを用意してきました。1人で練習し、コーチの指導や振り付けもリモートで受ける状況の中、一番羽生の状態を把握しているのが由美さんで、実質的なコーチとも言えます」(前出・記者)

 だが、北京五輪は関係者を徹底的に隔離する「バブル方式」で行われる。

「IOCが発表した『プレイブック』では、選手に選手村への滞在を強く要請し、毎日PCR検査を行うことなどが盛り込まれていました。ゼロコロナ政策を取る中国では、東京五輪よりも運用が厳しくなりそうで、観客も中国居住者だけ。由美さんがコーチ登録でもしない限り、羽生の身の回りの世話をするのは難しいかもしれません」(同前)

 前人未到の冬季五輪3連覇のカギは母が握っている。